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福岡に舞い降りたジビエ専門店のパイオニア 「情熱の千鳥足 CARNE(カルネ)」

イタリアン フレンチ
2019.08.31

2014年にデビューしたこの店が、福岡の美食家たちに与えた驚きはかなりのものでした。それまで同じようなコンセプトの店──つまり九州各地からジビエを集め、東京の著名シェフに料理を監修してもらい、上質な洋食として提供するような専門店はなかったからです。福岡ではほぼ未開だったジャンルに挑んだ「カルネ」。そこにはどんな体験が待っているのでしょうか。

場所は天神と中洲の2大繁華街に挟まれた西中洲。実力派の飲食店が密集する“大人のグルメ街”です。その一角に木彫りの鹿と猪を見つけたら、そこが目的地。「鼻を撫でて」と言わんばかりの、2頭の愛らしい表情がたまりません(笑)。

九州の地域活性を目指し、飲食店経営に初挑戦

上品な照明が包むフロアでは、店長兼シェフの舟木 慧さんが迎えてくれました。同店ではオープン以来、全国で活躍するイタリアンシェフの小野貴史さんが料理プロデュースを担当していますが、2年前にフレンチ畑で研鑽を積んだ舟木さんが加わったことで、厨房はよりパワフルになりました。

「毎月10日間ほど小野さんがいらっしゃるので、一緒に料理しながらジビエの奥深さを学んでいます」。

ところで、舟木さんの後方に勇壮な絵がかかっていますが──。

これは気鋭の墨絵アーティスト、西元祐貴さんの作。「鹿と猪」と名付けられ店のお宝となったこの1枚、アートファンなら一見の価値ありです。

さて「カルネ」の経営母体は、長年九州の地域おこしに携わっている「イデアパートナーズ」です。かねてより九州のジビエ流通量を増やしたいと考えていた同社は、各地で食肉加工処理施設の開設支援をスタート。これを機に自らも初の飲食店経営に乗り出し、ジビエ消費に貢献しているわけです。

「当店のジビエは猪と鹿がメインで、九州圏内の処理場からよい状態のものだけを仕入れます。必ず1頭買いするので内臓以外のすべての部位が使え、幅広くいろんな料理を作れるのが強みですね」。

そう話しながら、大ぶりの鹿肉に手際よく包丁を入れる舟木さん。肉はいかにも弾力があり、色ツヤも綺麗なのが印象的。

「ジビエ覚醒」を促す豊富なメニュー構成

舟木さんの言葉どおり、「カルネ」のメニューはグリル、煮込み、餃子、ハンバーグ、ピッツァなど多種多彩。イタリアンとフレンチを“いいとこ取り”した美味しさも保証付きですし、主要価格帯は700円~800円代。デートにも使えるカジュアルなレストランといった趣です。

では、いよいよ実食。舟木さんにオススメを頼むと、まずはオープン以来の人気料理「名物!ジビエのメンチカツ」(720円・税込)が出てきました。

ゴロゴロした粗挽きミンチは、鹿と猪に少量の鳥系の肉を加えたもの。ジビエに不慣れなビギナーでも無理なく食べられそうな一品です。

20種類以上の野菜とフルーツを煮込んで作る、専用ソースの味わいがまた絶品!

続いての「串/5本セット」(1,350円・税込)も同店の定番(写真右からイノシシ、シカ、キジ、黒ブタ、ジビエのつくね)。

肉そのものの際立った旨さが、シンプルな調理法により存分に引き立っています。波佐見焼でそろえたというお皿のデザインも素敵♪

そして最後は、舟木さんのお気に入りという「ジビエのミートソースパスタ」(1,650円・税込)。この日は鹿の骨でブイヨンを取り、赤ワインで煮込んだ鹿肉のラグーでした。野性味あふれる食べ応えですが、胃袋にスルスルと収まっていくのが不思議。

「私もジビエにはあまり胃もたれを感じません。焼く時も牛や豚の方が臭みを感じるくらいです。“ピュア”というか、ジビエは質の高い食材なのだと思います。食べず嫌いの方も、当店の料理でジビエのよさに目覚めてもらえたらうれしいですね」。

九州はもちろん、日本国内の生産者を応援している「カルネ」。ワインも国産が多く、どんどんリストが充実している日本酒は九州産主体です。「バルっぽい使い方も大歓迎ですよ」と舟木さんも心強いひと言。
ふと壁の黒板に目をやると「添田、夏鹿フェア」の文字が。これは同社が開設支援した添田町の処理場から届く、鹿肉の料理を主役にした企画です。こうしたエリア別のフェアは不定期に催されており、改めて「カルネ」のポリシーが“地域活性”であると実感します。ならば私たちも旺盛な食欲でその想いに応えたいもの。それに、こんな楽しい支援活動ならいつだって大歓迎!

2018年には天神地区に「ジビエ料理屋台 情熱の千鳥足」もオープン。若干テイストを変えたメニュー展開で人気を博しています。こちらにもご注目を!

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