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鹿肉とフルーツを駆使したソースの相性に魅了される 「老松町 RABbit」(ラビット)

大阪 シカ ダイニングバー
2019.09.18

大阪・キタの中心街、梅田エリアを南東へ。骨董品店や美術店などが軒をつらねる老松町の路地裏を進むと「老松町 RABbit」の屋号が目に飛び込みます。

フルーツを駆使したミクソロジーカクテルが人気ですが、あえて屋号に「BAR」の3文字を逆さまに使ったのは、「バーだと来る人を選んでしまう。間口を広くすることでいろんな方に来店していただきたかったので」とのこと。そんな、肩肘張らずに過ごせる空間へと暖簾をくぐりました。

フルーツ、そしてお肉。店主が好きなジャンルをとことん追求

店主は、長年飲食業に携わる宮内 健さん。20年ほど前に、フルーツのカクテルを試作したところうまくいかなかったことがきっかけで、果物の品種ごとに異なる特徴を独学で追求するように。生産者との出会いもあり、季節ごとにおいしいフルーツを吟味して各地から取り寄せ、取りそろえるようになりました。

入口の傍らにも、旬のフルーツが飾られて…。カクテルの主役としてはもちろん、料理に添えたり、ソースに仕立てたりとさまざまな角度から楽しむことができます。

同じく、肉料理のラインナップにも強いこだわりが。信頼のおける精肉業者とつながっているからこそ入手できる素材を生かした格別な味わいを楽しむことができます。「鹿肉は、もともと自分が好きだったのでメニューに加えたんです」と宮内さん。

おいしい鹿肉を求め、つてを頼るなどして仕入先を探し回わりました。それでもなかなか見つからず困っていたところ、スタッフの一人が「うちの親戚が扱っています」と。灯台下暗しとはこのことで、一度送ってもらったところその味わいを気に入り、今に至ります。

上品な旨味の鹿肉にブドウのソースが抜群にマッチ

さっそく、鹿肉のメニューを用意していただきました。兵庫県産の鹿肉の太腿にあたる“シンタマ”をローストした「本州鹿のロースト」(1,450円・税抜)です。やわらかい部位で、旨味を存分に味わえるのが魅力とのこと。見るからにしっとりとした印象の肉質に心が弾みます。

1時間ほどかけて低温調理し、仕上げにサラマンダーでパリッと焼き上げます。「低い温度でじっくりと火を入れることで、肉が固くならないんですよ」。カットすると、程よく火の通った赤身の美しいロゼ色が現れました。

ブドウが香るマデラワインのソースに、フレッシュのブドウも添えて美しく盛り付けられた一皿に、心がときめきます。肉と同じくじっくりと低温で調理したエシャロットや、愛らしいマイクロスイカ、エディブルフラワーが華やか。

さっそく試食させていただくと…。厚みをもたせたカットにも関わらず、鹿肉の想像以上の柔らかさは感激を覚えるほど。塩・胡椒、ハーブ系のスパイスでシンプルに味付けをした鹿肉に、熟したブドウの香りが広がるソースを合わせると、それぞれの甘味や旨味が融合して奥行きのある味わいに。さらにフレッシュのブドウを一緒に口に運ぶと、みずみずしい甘酸っぱさが加わり鹿肉とフルーツの相性のよさに気付かされます。季節により洋ナシやイチゴを使うこともあるとのこと。添える野菜からも、訪れるタイミングごとの旬が満喫できるのが醍醐味です。

2品目には、「澤井姫和牛のレアステーキ」(1,900円・税別)を用意していただきました。「近江牛の処女牛で、大阪での取り扱いは当店だけ」とのことで、別途運営する弁当業で月に300kgの肉を仕入れる精肉店から特別に紹介してもらったそう。「初めて口にした時は、しっかりとした味わいの強さに感動しました!」と宮内さん。赤身の美しい色合いは、雌牛の証なのだそう。

和牛には、貴腐ワインを使ったビンコットソースを合わせて。ひと口頬張るごとに、赤身ならではの優しい旨味や甘味が口の中に広がります。シャドウクイーンやアンデスレッドなどのジャガイモ、コリンキー(カボチャの一種)、ダビデの星(オクラの一種)、イチジク、ワラビ茸といった珍しい複数の焼き野菜が添えられ、ピンクペッパーの赤や牡鹿半島の桜塩が味わいのアクセントに。「ブランド牛のなかでも、処女牛ならではのおいしさを幅広く知ってもらいたい」という思いからの、お値打ちな価格設定もうれしい限りです。

1階はカウンター席、2階はテーブル席となっていて、昭和レトロな雰囲気も居心地がよくくつろげます。スペシャルな肉料理やミクソロジーカクテルをお目当てに、老松町の路地裏を訪ねませんか?

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