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親子の絆を深め、ジビエの魅力を学ぶ! 親子ジビエ料理教室をレポート!

東京都 シカ ランチ 体験 イベント
2023.11.29

2023年10月29日、親子を対象とした「ジビエ料理教室」が、東京・渋谷区の小学校で開催されました。ジビエの魅力やその背景にある野生鳥獣による農業被害やSDGsについての理解を親子で楽しみながら深めていきました。

参加者は小学校3年生から6年生の児童とその保護者の合計30組60名、ジビエに興味を持つ親子が集まりました。「私の実家は田舎の農家で、子どもたちも罠にかかった鹿を食べた経験があります。それ以来、私も子どももジビエに興味を持っていたので参加しました」というご家族や、「鹿肉ってどんな味するの?分からないから、楽しみ!」と胸を弾ませて、参加したお子さんも。

ジビエに関する講話や、鹿肉を使ったハンバーガー作りの料理レッスンを通して、ジビエの魅力やその背景にある農作物の鳥獣被害、SDGsとの関係性を学んでいきます。

講師として、米粉食育研究家の斎藤朋美先生と、横浜国立大学経営学部4年生でありディアベリー株式会社代表取締役の渡辺洋平さん(愛称:鹿くん)が参加しました。

鹿くんに学ぶ、『なんで獲るのだろう?』

横浜国立大学経営学部の学生でディアベリー株式会社代表の鹿くんが、参加者に向けてスライドを使いながら説明しました。

鹿くんは、参加者に「鹿にどんなイメージがありますか?」「鹿はどれくらいの量の植物を食べるか知っていますか?」と問いかけ、一般的な鹿に対するイメージと現実の差に驚く参加者たち。「鹿は、毎日サラダ14皿分以上を食べているのです」と例えを用いながら、毎日約5kgの植物を食べる鹿の生態や、鹿による食害が森林生態系や農林業へ与える影響について解説しました。

続いて、環境省や農林水産省の公表資料を用いて、鹿が急増している背景とその影響について深堀りしていきました。野生の鹿の年間捕獲頭数は約67万頭。しかし、その利用率は約13%にとどまります。多くの植物が失われ、年間で鹿による被害総額は約56億円にも上るとのことです。

「なんで鹿が急増してしまったのか?」という問いを子どもたちに投げかけると、積極的に理由を挙げてくれました。子どもたちの意見が的確だったことに講師の鹿くんも驚いていました。

積雪量の減少、過疎化による耕作放棄地の拡大など、鹿の個体数増加の背後にはいくつもの複雑な要因が絡み合っていると鹿くんは話します。未使用の土地も、鹿にとって新たな生息地となり、その数を増やしているそうです。

様々な要因が複合的に作用して、鹿の数が増加しているのだと、鹿が増えた理由を説明しつつ、鹿くんは、これらすべての要因は人が関係していることを強調し、「いま私たちに出来ることは、命に責任を持っていただくことです。だからこそ、頂いた命に感謝し、美味しく、笑顔で、ジビエを楽しみましょう。」と和やかに締めくくりました。

鹿肉を使ったジビエハンバーガー作りを親子で協力して実践!

米粉食育研究家の斎藤先生による料理レッスンでは、参加者全員が簡単かつ安全に料理を楽しむ料理方法が紹介されました。

材料と調味料をジップ袋に入れ、親子が協力して、袋の中の材料を揉みこみながら、よく混ぜ合わせます。次に、ビニール手袋を着用して、その混ぜ合わせた材料を丸型に成形します。この工程では、参加者の個性が溢れる形が見え、和気あいあいとした雰囲気でした。

加熱はホットプレートで。200℃に熱したプレートでハンバーグの両面を焼き、蓋をしてじっくり蒸し焼きにすることで、お肉の中心まで赤身が残らないようにしっかりと加熱しました。焼いている間には、「鹿肉は牛肉と比べて、鉄分やタンパク質、ビタミンが多く、脂質がとても少ないんです」と斎藤先生。鹿肉の栄養価の説明では保護者の皆さんも、特に興味深く耳を傾けていました。

お待ちかねの親子で作ったハンバーガー!いざ実食!

焼きあがったハンバーグを、米粉のバンズにレタス、ソース、チーズと一緒に挟んで、ジビエハンバーガーが完成しました。まずは、ジビエト特製つまようじを刺したハンバーガーの写真を、親子で楽しく撮影タイム。そして、ようやく待ちに待った実食です!

子どもたちはワクワクした表情を浮かべながら、斎藤先生の「いただきます」の合図で、自分たちで作った料理を楽しみました。

一口食べたあとは、参加者一同も、驚きと喜びでいっぱいの表情。この日、初めて鹿肉を食べた子どもたちも多く、感想を聞いてみると「おいしい!」という即答が多数。じっくりと味わいながら笑みを浮かべる子どもたちも。あちらこちらで「初めてだけど、とても美味しい!」という声が多く聞こえました。

保護者たちからは、「想像以上に美味しかった!」という感想や、「こんなに簡単に調理できるのだから、次回は鹿肉を買ってみて、おうちでも試してみたい!」と何とも嬉しいお言葉も。

鹿くんによる鹿肉購入時の注意や国産ジビエ認証マークの説明

加者が美味しくハンバーガーを食べているところ、鹿くんから、ジビエを購入する時の注意点の説明がありました。鹿くんは、「必ず保健所の許可を取得している食肉処理施設で加工されたジビエを購入すること」、「食肉処理施設では、肉が適切に処理・検査されているため、安心して購入し、お子さんにも提供できる」と説明しました。

このような情報は通常、ジビエの食肉処理施設のウェブサイトや店頭で明示されています。また、「農林水産省が運用している『国産ジビエ認証制度』の認証を取得している食肉処理施設のお肉には、認証マークがついているので、より安心して購入することが出来ます」と、保護者の方々が子どもたちと食べるジビエを安全に購入し、安心して食卓に並べることができる方法を紹介しました。

 

親子の絆を深め、ジビエの魅力を学ぶ1日が幕を閉じる

鹿くんの講話や、斎藤先生の料理レッスンを通して、ジビエの美味しさを知り、鳥獣被害やSDGsへの取組についての理解を深めることができました。「ジビエ=狩猟」というイメージだけではなく、その背後にある様々な課題ついても知ることができ、参加者のみなさんにとっては非常に有意義な時間となったようです。

イベント終了後は、「また次回があれば参加したい」という声も聞こえてきました。親子で参加し、ジビエを学び、体験し、味わったこの教室。参加した皆さんは、ジビエの新しい魅力を発見した1日となったことでしょう。
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