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二つ星で学んだ本格シェフの技術が冴える“肩の凝らない”絶品フレンチ「西洋割烹 吉祥寺」長野県飯田市

長野県 フレンチ ビストロ シカ 煮込み コース ランチ
2023.01.21

南北に長い長野県の最南端に位置する飯田市。市内を走るJR飯田線は秘境のローカル線として人気の路線ですが、今回紹介する「西洋割烹 吉祥寺」がある鼎(かなえ)駅周辺は、商業施設、公共施設、病院などが点在する市街地です。

オーナーシェフの村松 慶一さんは、かつて修業したフランスの名店のように、季節の地元素材を調理してもてなし、地域の人々に愛されるレストランを開きたいと、29歳で独立。生まれ育った信州飯田でこの店を開業しました。「フランスの名店の多くは、町はずれや地方にあって、その土地の季節の素材を調理してお客様をもてなします。お客様もシェフが腕を振るう折々の味を楽しみに、繰り返し訪れるんです。ジビエもよく使われる素材の一つ」と話す、村松シェフ。

東京とフランスで学んだ本格フレンチの手法と技術で、伝統的なコース料理からカジュアルな一品まで多彩なメニューを提供。親しみやすさが漂う明るい店舗も地域の人々に愛され、2023年に開業25週年を迎えます。

鼎駅から徒歩1分、地名も「鼎」。なのに、なぜ吉祥寺? 答えは、村松シェフが20代のころ7年あまり修業したレストランにありました。

東京・吉祥寺で一世を風靡した、その店の名は「パリジェンヌ」(現在は閉店)。村松シェフはそこで帝国ホテル初代総料理長だった故・村上 信夫氏と、その弟子の増井 錠治氏の薫陶を受けました。その後、フランスに留学し、二つ星レストラン「Le Moulin de Marcouze(ムーラン・ド・マルクーズ)」でドミニク・ブシェ氏(パリ・東京でレストランを展開する名シェフ)に師事。

師匠たちへの敬意と初心を持ち続ける誓いを胸に、最初に修業した店があった場所「吉祥寺」を店名にしたのです。

鹿と地元野菜のマリアージュが楽しい前菜ジビエ

ジビエメニューは、主にコース料理(3,300円~・税込)で楽しめます。
良質な鹿肉の入荷状態と、自家菜園や地元の農家さんで収穫される旬の野菜、香草等の顔ぶれに合わせ、最適なレシピや組み合わせを検討するため、あえてメニューを固定しないスタイルです。
ジビエがしばしば登場するのは前菜。ゼリー寄せやパテなど、フレンチらしいメニューで鹿肉を活用します。ジビエが不慣れな人も、抵抗なく鹿肉の魅力を堪能できそうですね。

まずは一品目、「鹿肉とベーコンのゼリー寄せ」は、鹿肉を薄切りにし、ベーコンと香草をミルフィーユ状に重ね、ゼリー寄せにした一品。ベーコンの軽い塩味と香草がコクのある鹿肉とみごとにマッチ。さっぱりしたゼリーで仕上げ、食欲をそそる仕上がりになっています。

「鹿肉のパテ・ド・カンパーニュ」は、鹿肉、鶏レバー、玉ねぎなどを一晩マリネし、ミンチにして型に詰めてじっくり蒸しあげた料理。地元産の西洋野菜との相性抜群です。

お客様のリクエストに応えた、鹿肉の低温ロースト・ソースヴェルデ

村松シェフが修業先で身につけたのは、火加減を調節しながらじっくり煮込んだり、焼き込んだり、ソースを煮詰めて凝縮させたりして調理することの多い、古典的なフランス料理。
シェフはそれを原点として大切に継承しつつ、現代の人々の味覚やカジュアルな食習慣にも合う、肩ひじ張らずに楽しめるフレンチを提供しています。

「鹿肉の低温ロースト・ソースヴェルデ」は、お客様のリクエストに応え、コースの前菜として用意した一品。
脂身の少ない鹿肉を低温調理でじっくりロースト。しっとりとやわらかく仕上げ、地元産の野菜と一緒に味わいます。「ソースヴェルデ(=緑のソース)」には新鮮なバジルをたっぷり使い、イタリアンの風味をプラスしました。

人気テイクアウトメニュー、鹿肉と地元野菜のポトフ

「鍋ごと吉祥寺」は人気のテイクアウト企画。シェフが調理した本格的な洋風鍋料理を、持参の鍋に移して持ち帰ることができます。
自宅でそのままあたためるだけでレストランの味を楽しめるので、ちょっとしたお祝いの食卓やホームパーティのお料理としても好評です。
キャンプの豪華ディナーにもぴったりですね。

なかでも人気の「鹿肉と地元野菜のポトフ」(4人前4,800円・税込)は、フランスの家庭料理・ポトフに鹿を使うジビエ鍋。鹿と香味野菜でとったスープで、鹿肉を1日かけてやわらかく煮て、地元産の季節の野菜を合わせます。
鹿肉と具の野菜は別の鍋で煮て、持ち帰り時に合わせるので、肉、野菜とも彩り・食感がベストな状態で味わえるのがポイントです。

時にはランチ(1,500円~・税込)にジビエが登場することも。
鹿肉の挽き肉を使い、自家製パスタをグラタン仕立てにした「鹿肉のラザニア」など、斬新なジビエメニューとの出会いを楽しめるかもしれません。

高品質なジビエの美味しさを伝えたい

古くから狩猟が盛んな南信州には、鹿、猪、熊などの肉を“山肉(さんにく)”と呼んで食べる習慣がありました。山肉は、素早く血抜き、解体等の処理をし、鮮度のよいうちに調理するのが美味しさの秘訣。
ジビエは固い、臭いなどの先入観を持つ人もいますが、それはかつて、猟師ごとに処理方法が異なっていたので品質にバラつきがあったことや、不適切な保存によるものです。
しかし、現在のジビエは、厚生労働省のガイドラインに沿った方法で、適切に処理・保存され、流通しています。

「せっかく山肉文化がありながら、本来の美味しさを知らず、ジビエに先入観を持っている人が多いのは残念なことだと思うんです」と話す村松シェフは、長野県が認定する信州ジビエマイスターの一人。「泰阜(やすおか)村ジビエ加工施設」などの地域の食肉処理施設から南信州で獲れる鹿肉を調達し、さまざまなジビエメニューを提供しています。

また、地元の高校生にジビエの取扱や低温調理法などを指導し、多彩なレシピを教えたり、地域のイベントで「鹿肉バーガー」を提供したりと、ジビエの魅力を広く伝え、普及する活動にも熱心に取り組んでいます。

山肉の伝統に磨きをかけ、時代にマッチしたジビエ料理として提供する「西洋割烹 吉祥寺」。カジュアルなムードの店内で、リラックスして本格フレンチの味わいを満喫できる一軒です。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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