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自然への敬意、作り手の思いをひと皿に乗せて。 本格自然派イタリアン「Osteria le Terre」(オステリア レ テッレ)

イタリアン 千葉
2019.03.29

千葉県の柏駅南口から徒歩5分。県立東葛飾高校へ抜ける道と国道6号線との交差点手前、高校と斜向かいの角にある「Osteria le Terre」は、有機野菜と自然派ワインで人気のイタリアンレストラン。お店の公式サイトには、「自然や大地と寄り添い、生産者の思いを届ける」ことを大切にしていると書かれています。これまでの取材の経験上、こういった信念のあるお店は、ジビエの取り扱いがあるのでは…?と思い問い合わせると、ビンゴ!さっそくお店へうかがいました。

テーマは「大地を食す」こと。

扉を開けた瞬間、なんとも温かな雰囲気に包まれました。長野の古民家で使われていた古木なども再利用されていて、木のぬくもりが感じられる山小屋風だからでしょうか。

カウンター6席、テーブル6席、そして奥には個室も用意されています。

「Osteria le Terre」がオープンしたのは、2017年。オーナーシェフの大野祐介さんは、麻布のイタリア料理店「リストランテ ラ・コメータ」で経験を積んだのち、イタリアへ。北はピエモンテ州、南はシチリア島の1つ星や2つ星レストランなどで計5年ほど修行。帰国後しばらくして、念願の自身のお店をオープンさせました。

さっそくジビエ料理をいただきます。1品目は、「君津産 澤田さんの雄イノシシのパテドカンパーニュ」(880円・税抜)。

メニューに名前がある澤田さんと大野シェフが出会ったのは昨年の6月ごろ。千葉県君津市で食肉処理を行う「猟師工房」を運営する澤田昌利さんの、「有害鳥獣を有益鳥獣に変えて、里山・人・獣・未来をつなぐ」という考え方に共鳴。以来、現在は君津からもジビエを仕入れています。

ロースやレバー、モモ肉も使って作られたパテは、880円とは思えないほどボリューミー。

余計な雑味は一切ないシンプルな味付けですが、からし菜のペーストや粒マスタード、甘酸っぱいキンカンや島ニンジンのピクルスなどが添えられているので、合わせて口に含むと味が七転も八転もし、飽きずに楽しむことができます。

おいしいものを追い求めたら地元産に行きついた

野菜も千葉県柏市や八街市の農園から直接届いた新鮮なものを使用。

「地産地消にこだわっているわけではないのですが、近くにこんなにおいしいものがあるわけで、これを使わない理由がないんですよ」と大野さん。気付いたら、千葉の食材が多くなっていたのだそう。

2品目は「地粉の手打ちパスタ ~君津産ジビエ 澤田さんの雄イノシシと浅野さんの黒キャベツのラグーソース~」(1,500円・税抜)。

自家製のタリオリーニは、八街から取り寄せた全粒粉の小麦粉を使っているのですが、実は“バイ・オーダー”(注文がきてから製粉したもの)だというのです。

「お米と一緒で、小麦粉も農作物。鮮度があるんです。スーパーで売られている小麦粉と違って、引き立ては味も香りも全然違う。その味わいを感じてもらえるようにパスタは少しだけ太めにしています」。

猪のフォンが効いた濃厚ソースは、全粒粉の素朴な食感とベストマッチング。噛むほどに麺の甘味が感じられ、猪の旨味と絡み合いとても美味。

上にのった黒キャベツはドライエイジングしたもので、そのまま食べても甘味が凝縮したスナックのようで楽しく、またちぎってパスタにかけてもパリパリ感がアクセントに。

最後を飾るメイン「北海道阿寒産 蝦夷鹿ロース 赤ビーツ 赤キャベツ 赤ワイン」(2,450円・税抜)は、豪快な野生らしさと赤色のグラデーションが同居したアートな一皿。

骨も盛り付けに使うのは「命をいただいてることを実感してもらうため」。

赤ワインとビーツのソースは程よい酸味を、ハーブはさわやかな香りを与え、そしてナッツは鹿が森で食べてきたであろう物語を想像させてくれます。

柏駅周辺は飲食店の激戦区で、新しくできるお店も多い一方、入れ替わりも激しいエリア。

「柏は、規模はそこそこ大きいけれど庶民的な色の残る街。でも意外と“意味のあるものを食べたい”と思っている意識の高い人がちゃんといる街でもあるんです。そんな人たちが、僕の『自然・造り手・お客様の懸け橋になって、生産者の方々の思いも一緒にテーブルに届けたい』という思いに共感し、リピーターになってくれているのがうれしいですね」。

 

ジビエにも野菜にもワインにも、その背景で流れている自然や人々のストーリーがある。大野さんの生み出す一皿一皿すべてに、それらが集結されていると感じました。きっとこれからも「Osteria le Terre」はここ柏でお客さまに長く愛されるに違いありません。