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2020年1月末、期間限定のジビエラーメンが登場! 「火の国 文龍 総本店」

ラーメン 熊本 イノシシ
2019.11.21

熊本県熊本市の人気ラーメン屋「火の国 文龍 総本店」(※以下、文龍)で、2020年1月末から猪の「ジビエラーメン」が販売されます。ラーメン通でなくとも興味をそそる情報ですが、おもしろいのは、その企画・発案が地元の高校生であること。このユニークなコラボレーションは、一体どのように実現したのでしょうか?

こってり度では“熊本県最強”を謳う濃厚スープを求め、開店前から行列ができる「文龍」。スタッフの元気な声が飛び交う店内には、連日独特の熱気が漂います。

そんな県内有数の繁盛店が期間限定ラーメンを出すと聞けば、「おっ?」と食指の動く方も多いでしょう。

害獣被害という地域問題に取り組む高校生

先述のように、このラーメンの企画・発案は地元の高校生たち。その仕掛け人である「一般社団法人 みらいず設計Lab.」の代表、平松あすかさんに話を伺うことができました。

「私たちは熊本の高校生に向けたキャリア教育支援活動を行なっています。その一環で主催した講演会の講師に“くまもと☆農家ハンター”の方をお迎えしたのですが、高校生たちには初めて聞く害獣問題の実態が衝撃的だったようです」。

“くまもと☆農家ハンター”は、熊本県三角町の若手農家が立ち上げたグループ。自らハンターとなり、駆除した害獣を地域資源として生かすビジネスモデルが国内外で大きな注目を集めています。

その後、高校生たちから“害獣問題解決に貢献したい”という声が上がります。そこで結成されたのが県内5校の26人から成る「ジビエ商品開発プロジェクト」。平松さんのサポートを受けながら、ジビエの利活用を巡る取り組みが始まりました。

会議を重ねてラーメンの内容を固めた高校生たちは、自ら「文龍」へプレゼンに赴き、店主の工藤さんを口説き落とします。こうして2019年6月に始まったコラボレーションは、行政関係者などを集めた8月の試食会で完成をみるのでした。

澄んだ旨味と野性味を絶妙にブレンド

そしてこれが、噂の「ジビエラーメン」!

スープをすすると、予想を裏切るスッキリした飲み口に驚かされます。雑味は少なくコクは十分。澄んだ旨味と野性味の絶妙なハイブリッド、という印象。

この味わいは、朝の4時から5時間かけて仕込むクリーミーな猪スープと、「文龍」自慢の豚骨スープを合わせた労作。通常の濃厚豚骨ラーメンとはまた違った軽やかさが魅力で、期間限定というのが本当に惜しまれます!!

スープが茶褐色なのは、日々継ぎ足しながら炊いている豚骨スープの色。「文龍」ではアク=旨味を生かすため、あえて豚骨の血抜きをしないのですが、それがこの色に現れるそうです。それでもまるで臭みがないのは、3万キロカロリーの超強力な火力でガンガン炊き続けるから。垂涎のスープが生まれるこの羽釜は、まさにこの店の心臓部なのです。

「文龍」は、工藤文生さんが1998年に創業した専門店。西郷隆盛の言葉「敬天愛人(けいてんあいじん)=天を敬い人を愛すること」をもじった“敬豚愛麺”が座右の銘という店主に、ジビエラーメン作りの感想を尋ねてみました。

「猪を扱うのは初めてですが、本当に扱いやすい素材ですね。卸元の下処理が的確だからエグみやクセがなく、味がストレートに入ります」。

試行錯誤を経て完成した「ジビエラーメン」は味噌と塩の2種類(いずれも予価700円・税込)。赤ワインと特製醤油で煮た猪チャーシューも絶品で、試食した人からは「これだけ単品で売って!」と大好評だったとか。

また地産地消を目的に、レンコンや辛子高菜など熊本産の素材をトッピングに選んだのも高校生。害獣被害の現場も見学したという彼らの積極性と成長に、平松さんは感銘を受けたそうです。

「次回のプロジェクトはジビエ以外のテーマでと考えていたら、引き続き参加する2年生たちが“このまま続けましょう”と言うんです。大学で猪の生態を研究したいという3年生もいましたね。高校生が地域課題の解決に関わる機会はほとんどないので、彼らにはとても意味のある体験になったと思います」。

もしかしたらこの高校生の中から、害獣問題に光を照らす人材が現れるかもしれませんね。

「ジビエラーメン」は、猪の入荷量の問題で、提供は2020年2月下旬から2週間~1ヶ月間ほど、、夜営業時のみ提供の予定。工藤店主は言います。

「ジビエを使えばこんなに美味しいラーメンができます。それが広まって、他店さんに追随してもらえるきっかけになればいいですね」。

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