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信州にジビエを普及させた旗手的存在の名店「おもてなしイタリアン 和伊ん(わいん)」

イタリアン 長野 シカ
2020.03.31

長野駅善光寺口を出て徒歩3分の距離にある「おもてなしイタリアン 和伊ん」(以下、「和伊ん」)は、和のテイストを加えた新感覚イタリアンを提供するお店です。

2階という立地ながら外国人観光客も多く来店し、日常の食事や飲み会に加えて結婚式の二次会でも多く利用されています。

広々とした店内は、ゆったり過ごせる寛ぎの空間が。和×イタリアンの創作料理はグルメな大人女子から人気です。

ジビエとの繋がりはB級グルメから

オーナーシェフ・滝口 誠さんは、信州ジビエ普及委員会の立ち上げに深く携わり、そのイメージアップとPRに貢献してきた知る人ぞ知る人物。
では、なにがきっかけでジビエ料理に繋がりを持つようになったのでしょうか。

「料理の道に入ったのは東京で大学生だったころ、フレンチ店でアルバイトしたのがきっかけでした」。
卒業後、さまざまな料理店で1年ほど研修を受け、その後の1年はイタリアへ。

帰国し、25歳の時に長野市の飯綱高原で「トラットリア・イル・カロローゾ」(以下、「カロローゾ」)をオープンさせます。現在では「カロローゾ」は作業場として利用し、長野市内で「和伊ん」のほか、「イタリア酒場わいん」「Dolce vita」の3店舗を経営されています。

とはいえ「カロローゾ」の開店当時、ジビエ料理の取扱いはまだなかったそうです。

「2010年に長野のB級グルメコンテストに応募して、『長野ヤキメン』というメニューで優勝する機会がありまして、それがもとで地元百貨店のイベントに参加することになったんです。そしてそこで出会った松本市のベーカリーショップの方から紹介してもらったのが、松本でジビエ専門の加工・販売をする「山崎商店」さんでした」。
山崎さんからジビエを提供してもらい調理してみたところ、肉質のよさに驚き、“これならおもしろいことができるかも!”とジビエ料理に取り組むようになったそう。
「ご縁ですよね。B級グルメコンテストがなかったら、長野県のジビエの普及状況は少し違っていたかもしれません(笑)」。

「鹿のスジ肉の美味しさを広めたい」という思いが生んだ料理

紹介する1品目は、「信州鹿スジのトマト味噌煮込み」(980円・税抜)です。

トマト煮込みに味噌を使っているところがこの店らしさ。「鹿のスジ肉をじっくり煮込んでいるので、味だけでなく独特な食感を楽しんでいただけると思います」と滝口さん。

スジ肉を中心に、モモ肉やロース肉等の鹿肉を圧力鍋で2時間ほど煮込み、オリジナルのトマトソースを合わせて、さらに肉に味がしみるまでコトコト煮込んで出来上がりです。

仕込みにじっくりと時間をかけている分、オーダーを受けてからさっと提供できるのが煮込み料理のいいところ。青い皿にトマトソースの赤い色が映えています。

食べてみると、やはりスジ肉の独特な食感が印象的。適度な歯応えを残しつつ、やわらかくなるまで丁寧に煮込まれているのがわかります。隠し味に味噌が入ったトマトソースとの相性もぴったりで、これはお酒が進みそう!

次に紹介するのは、「信州鹿の焼きソーセージ淡雪仕立て〜トリュフバルサミコソース〜」(980円・税抜)です。

鹿のロース肉とモモ肉のミンチに、さまざまな種を混ぜ込んだオリジナルレシピ。盛り付けも和とイタリアンの融合が見て取れますね。

一見、ミートローフのようですが、水分量を少なくすることにより、ソーセージのような食感を実現しています。断面から、たっぷりと種が使用されていることがわかるでしょうか。

提供する前に両面をガーリックオイルで焼き色が付く程度にさっとソテーします。この時に立ち上る香りがなんとも言えず食欲をそそるものでした。盛り付けていただいたところで、アツアツのうちにいただきます!

ほのかに香る香辛料のスパイシーさが鹿肉の旨味を引き立て、濃厚な味わいを実現。種の歯ざわりもアクセントとなって、見事に個性が立った味に仕上げられていました。ソテーすることで外側はカリッと香ばしく、中身はもちっとした食感に。
滝口さん曰く、「お酒のアテにもなるメニューにしたかったんです」。

「常時64種類のワインを取りそろえていますので、それぞれの料理と合う自分の好みのものを探してほしい」と滝口さんは言います。それぞれ各1本ずつだけ仕入れることにより、1本目が空いたら次は違うワインを注文してもらって、お客様が多種多彩なワインに出合えるように工夫されているそうです。

和の素材・テイストが用いられた料理を提供しているだけに、日本酒や焼酎、梅酒も豊富に取りそろえられています。自分だけのペアリング、ぜひ探してみてください。

「もっと安い料金で提供できるようになれば、ジビエ料理は店の目玉になり得るものだと考えています。これからも信州ジビエを普及させて、盛り上げていきたいですね」と滝口さん。
これからの展開がさらに楽しみです。「和伊ん」の独創的なジビエ料理、ぜひお試しを。

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