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自家挽き・挽きたてのスパイスが効いた週替わりジビエカレーが話題!「スパイスカリー くらっちぇ」長野県長野市

長野県 カレー シカ クマ ランチ
2021.02.04

長野市の中心部、善光寺からJR長野駅へ至る中央通りを歩いていると、ほんのり漂うスパイスの香り…。その香りの出所を探っていくと、自家挽き・挽きたてのスパイスカレーが人気の「スパイスカリー くらっちぇ」(以下、くらっちぇ)があります。

2020年4月にこの場所へ移転する前は長野市南石堂町で営業、ランチタイムのみの“間借りカレー”として親しまれてきました。

奥行きのある店内には、テーブル席と長いカウンター席があります。1人でも複数でも、ゆったりくつろげる空間です。

ここ「くらっちぇ」で話題となっているのが、週替わりで登場しているジビエカレー。これまで扱ったジビエは、鹿や猪のほか、熊、穴熊、ハクビシンなど! なかなかお目にかかれない希少な肉なども含めたジビエカレーを味わうことができます。

一期一会の出会いとご縁が紡ぐ味

もともとは警察官だったという店主の小平 理貴さん。スパイスカレーとの出合いは、職場の先輩が趣味で作ったというスパイスカレーに興味をもったことでした。

インドカレーやスリランカカレー、ベンガルカレーにネパールカレーなどなど、あらゆるスパイスカレーの基本を独学で学びながら友人や知人に振舞うと、たくさんの人が喜んでくれました。そのような日々を送るうちにカレー専門店を開くことを決意。公務員を退職後に飛び込んだジビエ関連の仕事の経験を生かしジビエイベントに出店するなどの活動を続けながら次々とご縁が繋がり、この店を構えることとなりました。

ジビエに慣れ親しんでいたため、スパイスカレーの店を出店するにあたり「いつかはジビエカレーを」という思いがありました。滋味深いジビエとスパイスカレーの相性は抜群。さらに、スパイスの調合により風味は変幻自在に生み出せます。週替わりメニューとして提供する鹿肉や猪肉を使ったスパイスカレーは、「体が温まる」と評判になりました。

「当初は鹿肉と猪肉のみを使ってカレーを提供していたんですが、取引のある食肉処理施設である、高山村の『信州山肉プロジェクト』から希少肉を紹介され使ってみたところ、珍しがったりおもしろがったりしてくれる常連客がいて…」
以来、さまざまなジビエを使ったスパイスカレーも「くらっちぇ」の人気メニューに加わりました。

身も心も温まる!ジビエ+スパイスカレー

今回は鹿肉と熊肉を使ったカレーをご用意いただけるということで、さっそく調理に入っていただきました。

カウンターにずらりと並んだスパイスの瓶を手にした小平さん、ホールスパイスを挽き始めました。たちまち鼻腔にスッと通るスパイシーな香り、これぞ挽きたて!

最初に炒めるのは3種類のホールスパイスを挽いたもの。カルダモン、クローブ、シナモンです。油にスパイスの香りが移ったら、あらかじめ炒めておいた鹿肉と、パウダースパイスを投入。スパイスの種類や投入する順序はその時使うジビエにより異なります。

炒めておいた玉ネギと、水煮トマト、白ワインヴィネガーを入れ、1時間程度煮込んだら出来上がり。

完成した「鹿肉ヴィネガーカリー」(1,200円・税込)がこちら。トマトと白ワインヴィネガーの酸味が相まって、喉越しがさわやか。疲れも吹き飛びそう!

ゴロっとカットされた鹿肉はワイルドな見た目ながら、大胆にひと口で食べられるサイズ感。しっかり炒めてから煮込むことで、硬くなくやわらかすぎることもなく、口の中で肉がほぐれていきます。そこにトマトや玉ネギがベースとなったスパイシーなルーが肉に絡み、するん!と喉に送られます。爽快な辛さと酸味に、次のひと口を運ぶスプーンが止まりません。

取材した日の“週替わりカリー”は、「麻辣熊(マーラーベア)」(1,500円・税込)。その名のとおり、熊肉を使い花椒と八角で中華風に仕上げたスパイスカレーです。ずっしりとした重厚な辛さで、食後も暫くの間お腹の辺りを中心に体が温まっていたように感じました。

たくさんの人を元気付けたい。スパイスカレーとジビエで広がる縁

小平さんはお店でカレーを提供するほか、スパイスカレー料理教室の開催や、長野県内の大手スーパーでの信州ジビエの鹿肉キャンペーンで配布するジビエレシピの提供なども行っています。個人でも比較的入手しやすい鹿肉でカレーを作るなら「味わい深く、煮込むと程よい食感になる」ネック(首)や肩の肉がおすすめだそう。

また店を切り盛りしながら、大学生の学生起業の相談にのることをライフワークとし、店の定休日や空いているスペースを活用して、学生による食堂やコーヒーショップなどの挑戦も支えています。
「そんな学生たちの中からもジビエや狩猟に興味を持つ人が育ってくれれば」と微笑む小平さん。

店名の「くらっちぇ」とは、ドイツ語で「klatsche(クラッチェ)=手をたたく」という意味。周りの人を元気にしたい、手をたたいて楽しくなるように、という小平さんの思いが込められています。きっとこれからも小平さんが作り出す変幻自在な週替わりジビエカレーは、人々をワクワクさせ、身も心もポカポカになり、思わず手をたたきたくなるようなあったかな気分にさせてくれるに違いありません。

※公式アプリにて、営業情報やイベントのお知らせ、レシピの発信を行っています。アプリダウンロードは「スパイスカリーくらっちぇ」で検索してください

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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