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大の肉好きシェフがたどり着いたジビエとこだわりのソース 「OSTERIA NORI(オステリア ノリ)」

イタリアン 愛知 シカ イノシシ ヒグマ
2019.11.29

今回ご紹介する「オステリア ノリ」は、愛知県名古屋市天白区の静かな高台に店を構えるイタリアンです。

目印は、イタリアの国旗がたなびく白亜の建物。閑静な住宅地に佇むお店でいただける絶品ジビエを求めて、地元の人はもちろん、県内外からお客さまが訪れる注目店です。

元々ライブハウスだった建物を生かした店内は、広々とした造り。テーブル同士の間隔もゆったりしていて、子ども連れのファミリーにも人気です。

大きな黒板に描かれた、カラフルでポップなチョークアートが楽しい雰囲気を演出しています。

「このチョークアートも私が描いたんですよ」と話すのは、オーナーシェフの加藤典康さん。美味しいものが大好きで、以前から食べ歩きや料理にハマっていたそう。23歳の時にふと、大好きな料理を仕事にしたいと、一念発起で飲食業界へ飛び込みます。その後、料理店や市場の仲卸などで経験を積み、26歳の時に現在の店をオープンさせました。

シェフの好奇心がさまざまなジビエを引き寄せる

「オステリア ノリ」のオープンにあたり、加藤さん自身も大好きな肉をいろいろ食べてみたいとの思いから、ジビエを取り入れることに。
「それまでジビエを食べたことはなかったのですが、せっかく店をやるなら大好きな肉を極めたいと思い、そこからジビエを探求することに。初めて取り寄せたのは鹿肉だったのですが、筋肉質な肉の弾力に驚くと共に、それまで野山を駆け巡っていた命のありがたみを実感しました」。

その後、自ら猟師にコンタクトを取るなど、仕入れルートを開拓しつつジビエについての研究を重ね、独自のレシピを確立。
「ジビエの滋味深い味わいを楽しんで欲しいから、引き立て役のソースは2種類を使用。ジビエの個性や、肉の状態に応じて使い分けています」という加藤さん。ジビエの骨からとったダシや、動物が食べていたであろう自然の恵みを加えたソース。もう一つはそれら全く加えず、個性の強い食材で作るソースです。その説明を聞いて、どんなソースとのマッチングが楽しめるのか期待が高まってきました。

栗の風味豊かなソースが蝦夷鹿にマッチ

最初にいただいたのは「えぞ鹿モモ肉のタリアータ」(100g 1,500円・税抜)。モモ肉の中でもシンタマと呼ばれる部位を、低温のオーブンでじっくり火入れ。肉を休ませたのち、仕上げに炭火で炙って香りを付けます。

美しく焼き上げられた蝦夷鹿には、足し算で考案された天然栗のソースを合わせています。
「実家の裏山で穫れる天然栗をクラッシュして、クリームソース風に。隠し味には栗の花から採取したハチミツを使っているんですよ」。

ジビエは産地や収獲時期だけでなく、どんなものを食べてきたかで味わいが異なるため、蝦夷鹿が食べていたであろう木の実=天然栗をソースに用い、さらに栗の花のハチミツを加えることで、その蝦夷鹿が持つ風味を倍加させます。

ソースにはゴロゴロとした粒状の栗も使われていて、蝦夷鹿の地味深さと一緒に天然栗の力強い味わいも楽しめました。

続いて「えぞ鹿バラ肉の自家製パンチェッタのカルボナーラ」(1,280円・税抜)を。パンチェッタは、脂身の多いバラ肉を無農薬で育てたオレガノやローズマリーなど数種類のハーブで漬け込み、1~2か月かけて仕込んだもの。

「ジビエは個体によって特徴があるので、今回の仕込み時には赤ワインをいつもより多めに使いました」。

ジビエの個性を見極め、それを美味しくいただくために、素材ごとに調理法を工夫する加藤さん。多めの赤ワインで仕込んだパンチェッタは薄くカットしてしっかりとオイルに香りを移した後、カリッと焼き上げています。

生クリームを使わず、チーズと卵黄、ブラックペッパーだけで仕上げる、本場ローマのレシピでつくられたカルボナーラは絶品です。

最後に、加藤さんからぜひにとすすめられたのが「紋別産ヒグマ モモ肉のステーキ・アッシェ」(130g 2,200円・税抜)です。

“ステーキ・アッシェ”とは、直訳すると「みじん切りステーキ」。つなぎを使わず、粗挽き肉のみをハンバーグのように成形して焼き上げた肉料理です。あえてヒグマの風味を残すため、味付けは塩のみとシンプル。

「ゴルゴンゾーラソースを合わせることで、個性の強いもの同士が合わさり旨味がより際立ちます。このメニューでヒグマの美味しさに目覚めるお客さまもたくさんいらっしゃいますよ」と加藤さん。

煮込みが定番のヒグマをあえて粗挽きの“ステーキ・アッシェ”にすることで、しっかりとした歯応えが楽しめます。噛めば噛むほど、野性味あふれる強い味わいが口に広がる一品です。

「オステリア ノリ」ではジビエ以外にも、おすすめしたいものがあります。それは、自家菜園で育てる旬の有機野菜や地元農家から届く有機野菜、加藤さん自ら釣る鮮魚など。どれも素材の力強い味わいが楽しめるものばかり。ジビエに負けない存在感を示していました。

「月替わりでイタリア各州の郷土料理とワインが登場する『イタリア伝統郷土料理特集』を開催中です。
イタリアの地域によって異なる味わいを楽しみにいらしてください!」。

今後も、アナグマやコガモ、カラスなど、さまざまな食材が登場予定。そして、美味しいものに目がない加藤さんの飽くなき探究心が、美味しい一皿に変身させてくれることでしょう。

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