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特別な食材ではなく、ナチュラルな食材としてジビエをいただく「LA COMUNITA(ラ コミュニタ)」

愛知 シカ イノシシ イタリア料理
2020.02.25

今回、ご紹介するのは、地下鉄・東山線の一社駅から徒歩3分の場所にある「LA COMUNITA」。イタリア語でコミュニティを意味するお店では、地元・愛知県のオーガニック野菜にこだわった料理と自然派ワインが楽しめます。

店先の花壇には、さまざまなハーブやイチジク、ブドウなどが植えられ、やさしい雰囲気が漂います。

店内には、ゆったりとしたテーブル席とカウンター席を完備。木のぬくもりが感じられるステキな空間が広がります。

こちらのオーナーシェフ、大森恵輔さんは大阪出身。19歳で料理の道を志し、21歳でミラノやトリノ、ジェノヴァなど北イタリアを中心に料理を学びます。帰国後、大阪のイタリアンで腕を振るい、27歳で広島のレストランのシェフに抜擢。

転機となったのは、31歳の時。フランス・ブルゴーニュの星付きレストランで研鑽を積んだ際、料理に対する考え方が大きく変わったと言います。
「フランスで、地元のナチュラルな食材を大切にする考えに接し、改めて食の奥深さを実感しました」。
その後、名古屋で無農薬野菜にこだわったイタリア料理店のオープンに参画。地産地消やオーガニックにこだわった、ナチュラルなイタリアンを極めます。

名古屋の老舗オーガニックカフェの意志を受け継ぐ

大森さんが「LA COMUNITA」をオープンさせたのは、2015年10月のこと。それまで同じ場所には、名古屋の老舗オーガニックカフェ、ポランの広場がありました。そのオーナーが現役を退く際、同じ意志を抱くシェフに店を譲りたいと考え、大森さんに声をかけたのが、「LA COMUNITA」誕生のきっかけとなりました。

「食事はただおなかを満たすだけではなく、心を豊かにもしてくれる。ポランの広場の意志を受け継ぎ、よりナチュラル&体が喜ぶ食材でイタリアンを作りたいと思いました」と大森さん。

店内でひと際目立つ赤い木のオブジェ、実はポランの広場の店先に植えられていたユーカリの木を用いたもの。ほかにも、ポランの広場の机の天板を加工してカウンターとして再利用するなど、いろいろな所にその名残を残しています。

ナチュラルな食材を追い求めたら、自ずとジビエにたどり着いた

「LA COMUNITA」では、自然栽培や有機栽培の野菜、師崎港で水揚げされた天然の魚介類、自然派ワインのほか、スイーツやソフトドリンクまで、ナチュラルなものにこだわっています。

ジビエにたどり着いたのも、ごく自然な流れだったと言います。
「牛肉や豚肉、鶏肉は、飼育法はもちろん、何を食べているかまで確認して仕入れています。その中で、無添加&ナチュラルな味わいを求めたら、ジビエにたどり着いたんです」。

こちらで最初にいただいたのは「サツマイモの自家製ニョッキ 丹波産鹿肉の煮込みソース」(1,700円・税抜)。サツマイモ100%のモチモチとした食感のニョッキに、鹿の旨味たっぷりのソースを絡めた一皿です。

「鹿のスネ肉と同量の玉ネギを炒めて赤ワインで煮詰めたものに、鹿の骨からとった濃度の高いダシと鹿のスジ肉からとった旨味たっぷりのダシを加えています。鹿本来の味わいを楽しんでいただくため、あえてチーズは使っていません」との大森さんの言葉に期待も高まります。

ひと口いただくと、サツマイモのやさしい甘味と共に、さっぱりしながらも濃厚なソースがひとつとなって、体にすーっと馴染んでいくよう。噛みしめるたび、鹿のスネ肉の滋味深い力強さが口に広がります。小松菜やチンゲンサイ、白菜のシャキシャキとした食感もいいアクセントです。

続いて、「岐阜県産尾長鴨の炭火焼」(2,800円・税抜)を。こちらは岐阜県の清流、長良川で網を使って捕獲された尾長鴨を炭火で焼き上げた、冬季のスペシャルメニューです。

焼き始めると、店内には炭火のやさしくいい香りが。「豊田市の山で木こりとして活躍する杉野賢治さんが作ったカシの木の炭を使っているのですが、煙が少なく服に匂いが付きにくいのが特徴です」と大森さんが教えてくれました。

さらに炭火で焼き上げるコツを尋ねると「炭火のワガママに、じっくりと付き合うこと」だとか。皮をパリッと香ばしく焼き上げると、肉を休ませながら、部位ごとに細かく角度を変えながら火を入れ、仕上げていきます。

皿を彩るのは、尾長鴨半身分のムネ肉、モモ肉、ササミ、手羽。やさしいながらも力強い味わいを生かすため、イタリアの岩塩のみで焼き上げます。そこに尾長鴨の骨からとった出汁を使ったやさしい味わいのソースを添え、仕上げに黒トリュフを削って完成です。

しっとりとしたムネ肉やササミ、ジューシーなモモ肉、そして野性的な力強さを感じる手羽と、さまざまな部位の食べ比べができる、贅沢な一皿。「個体によって肉質や香りが異なるため、時にコショウを加えたり、またある時は五香粉を使ったり、一期一会の一皿です」の大森さんの言葉にも納得です。

店内のワインセラーには、自然農法で栽培されたブドウを使った自然派ワインがズラリと並びます。ソムリエでもある大森さん曰く、このワインセラーからイメージを膨らませてお店を作ったんだそう。

「『食べ、飲み、楽しむ…人々が集い、共有し、繋がりが生まれる空間』を目指しています」。
人と人、そして地元の美味しい食材との架け橋でもあるお店には、今日もスタッフとお客さまの幸せな笑顔があふれています。

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