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心地よい非日常に身をゆだねジビエ串と日本酒を楽しむ「荒木山 神泉本店」東京都渋谷区円山町

東京都 和食 焼肉・ロースト 焼鳥・串焼き シカ イノシシ クマ カモ エゾジカ
2021.01.05

東京・渋谷駅から10分弱。道玄坂を上がっていくと、路地裏に見える白い暖簾とランプの灯り。京王井の頭線神泉駅からも徒歩1分と近く、渋谷の喧騒から離れた場所にある大人の酒場「荒木山 神泉本店」です。

ここは暖簾に示されているとおり焼鳥のお店ですが、ジビエの串焼きが人気だと聞き、訪問しました。

お店のあるあたりの小高い山のような土地が、かつて鍋島藩(佐賀藩)の荒木氏が所有していたため「荒木山」と呼ばれていたこと、それが店名の由来。モダンジャズが流れる店内は猟師の山小屋をイメージし、木の梁やランプの灯りが別世界へと誘います。

客をより楽しませるための“ジビエ×串焼き”という選択

迎えてくれたのは、ねじり鉢巻きが似合うマネージャーの伊藤 亮さん。
「料理が美味しいのは当たり前なので、+αのことが大切だと思うんです。一歩足を踏み入れたら外とは異なる時間の流れ、空間であるように雰囲気作りを心がけています」と伊藤さん。
その信条は焼鳥店でジビエ料理が楽しめる理由にもつながっています。

お店のオープンは2017年。ラインナップに鶏肉があるのは当たり前。でもそれ以上にもっと串焼きを別の角度からも楽しんでほしいという思いから、ジビエが加わりました。

まずは、そのジビエの串焼きから味わっていきましょう。串焼きはオープンキッチンの中央に据えられた炭火の焼き台で調理。今回は、通年で扱っている鹿肉と猪肉に加え、入荷した時だけ提供しているツキノワグマの3種を焼いてもらいました。

長い焼き台の中で炭の量や重ね方で火力が異なる部分を作り、肉の状況を見ながら場所を変えたり、裏返したりして火を入れていきます。
「鹿や猪は火入れ加減が難しいんです。焼きすぎると硬くなり、臭みも出てしまいます。火はちゃんと入っているけれどもやわらかい、絶妙な塩梅を見極めるのは“経験値”ですね」

炭の香りを漂わせて運ばれてきたのがこちら。どれも日本酒に合うこと間違いなしです。

最初は「猪肉串~そば味噌添え~」(560円・税抜)から。大分県産猪のバラ肉に、軽く炙ったそば味噌が添えられています。ジューシーなバラ肉の脂が口の中でじんわり広がり、肉に映った炭の香りがいいアクセントに。

甘めのそば味噌は手作り。そばの実のツブツブ感が残っているのがポイントで、香りが猪にぴったりマッチ。

お次は、噛むほどに味わい深い「熊~クマゴロシ添え~」(880円・税抜)。「熊を殺せるくらい辛いから“クマゴロシ”なんです(笑)」という、店オリジナルの激辛調味料が秀逸!

山椒などの粒感も残っていて、辛いだけでなく香りも高く、熊肉にパンチを効かせています。

「蝦夷鹿~山葵のせ~」(480円・税抜)にのっているのは、本わさび。シンプルな調理だからこそシンタマのプリっとした肉感と旨味がダイレクトに楽しめ、本わさびでさっぱりとした後味に。

このほか、自慢の大山どりも出していただきました。写真左から「ふりそで」(340円・税抜)、「鴨肉入り棒つくね」(420円・税抜)。希少部位のふりそでは、醤油ダレに柚子胡椒をのせて。ササミのようにあっさりとしているのに驚くほどジューシーです。そして甘めの醤油ダレがかかったつくねは、鴨肉を加えることで脂身の甘味が増し、軟骨が食感も楽しませてくれます。

料理も酒も、一期一会の出会いが楽しい

串焼きは野菜串や日替わりもあり、ラインナップは20種類以上。そして一品メニューが豊富なのもうれしいところ。冬はおでん鍋がカウンターでコトコト音を立てます。

そんななか、日替わりメニューに並んでいた「蝦夷鹿の低温ロースト」(980円・税抜)をいただきました。低温調理でじっくり火を通してやわらかさを引き出した鹿肉は、玉ネギと赤ワインのソースと共に。このお肉が本当にしっとりしていて、口の中は幸せでいっぱい。赤ワインソースは醤油の風味もあり、日本酒との相性も抜群です。

1杯900円(90~120cc・税抜)で楽しめる日本酒は、定番メニューを置かず、「今週の日本酒たち」として10種類以上を提供。行くたびに待っている、美味しい料理と日本酒との一期一会。こんなところにも“お客さんに楽しんでほしい”という気持ちが表れているようです。

気の置けない友人とカウンターに並んで座り、語らうのにぴったりの場所。間仕切りが置かれ、検温や消毒などコロナ対策も入念です。
「換気でドアを開けているのでひざ掛けやカイロを用意したり…。特別な空間として楽しんでもらうために、料理だけでなくサービスも大切にしたい」と伊藤さん。

お店はほかに四谷店と東急プラザ渋谷店の全3店舗。店舗によって客層や雰囲気はやや異なるとのことですが、ジビエの串焼きは味わえるそう。「お店によってはジビエでとった出汁でおでんを提供しているところもあります」とか。心尽くしの空間と料理を楽しむ大人の酒場へ、今夜出かけてみませんか?

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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