ジビエのイベントに行く

ジビエの振興イベント「今こそ知ろう!国産ジビエシンポジウム」に行ってきました! (※イベントレポート)東京都千代田区丸の内

東京都 セミナー
2019.12.20

2019年11月9日(土)に、国産ジビエの認知向上と需要拡大を目的とした一般消費者向けのイベント「今こそ知ろう!国産ジビエシンポジウム」が、東京国際フォーラムで開催されました。

イベントは2部制で、第1部では国産ジビエ振興の先導役としてさまざまな活動に取り組んでいる代表者2名の基調講演があり、第2部ではモデル&タレントの押切もえさんを招いてパネルディスカッションが行われました。

話題の“ジビエバーガー”を作ったオーベルジュシェフが登壇!

第1部最初の基調講演は、一般社団法人日本ジビエ振興協会代表理事で、「オーベルジュ・エスポワール」オーナーシェフの藤木徳彦氏。テーマは「ジビエ振興の意義と取組みについて」です。

「オーベルジュ・エスポワール」は長野県の蓼科高原にあり、今年で開業21周年を迎えた宿泊施設付きレストラン。地元の農作物・畜産物・ジビエなど旬食材を使ったフランス料理とワインなどを楽しめます。
藤木氏は、自身のオーベルジュでの食材に関する取り組みや日本ジビエ振興協会設立の趣旨、捕獲鳥獣のジビエ利用の意義を説きつつ、ジビエが近年ようやく浸透してきている状況を紹介。2014年に厚生労働省から「野生鳥獣の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」が発表されるまでは、自治体と行ったジビエの振興活動が難しかったことや、プロデュースした話題のジビエ商品(ベッカーズ「別格 信州ジビエ ザ★鹿肉バーガー」)の誕生秘話などを話してくれました。自治体や企業との“ぶっちゃけ”たやり取り話では、会場から笑い声が。各自がジビエに手探り状態だったゆえの苦労話は、興味深いものでした。

政府のジビエ振興の取り組みについても説明

続いて、農林水産省 農村振興局 農村政策部の仙波徹氏が登壇し、「ジビエ振興のための政府の取組」について話しました。

ジビエは農村にしかいない“地域資源”であり、貴重な食文化であること。そして、鳥獣被害から農村を守る必要があること。そのために、農林水産省ではジビエの利用を振興していることを説明。処理加工施設の増加や衛生管理、人材育成の必要性、ジビエの食肉以外の利用方法、本サイト「ジビエト」を含むプロモーション活動などについても触れ、政府のジビエ振興の取り組みに理解を求めていました。

ジビエの“いろは”を幅広く紹介!

第2部のパネルディスカッションでは、前述の藤木氏のほか、ジビエに詳しい大学教授たちや食肉処理加工施設代表者、そして押切もえさんが登壇。

ジビエの歴史・食文化など基礎知識から、野生鳥獣被害の実態、国産ジビエ認証施設の安全・安心の取組、ジビエ流通・消費の現状と展望、そしてジビエの栄養や美味しい料理方法といった身近なお役立ちネタまで、多岐にわたるテーマで話が展開されました。クイズ形式でジビエの情報が紹介され、ディスカッションは盛り上がり状態!

国内外で食べたことがあるという押切さんはジビエファンで、家庭でも時おり扱うことがあるとか。

「ジビエのお肉は味わい深く、ヘルシーなので気になりますね。夫(プロ野球選手の涌井秀章氏)がアスリートで、1歳8か月の子どももいるので、食生活には気を付けていて、栄養があるジビエには注目しています」とジビエ愛をアピール!

そんなジビエが、なぜ今ブームになっているのかを藤木氏は「外食産業がネタ切れなんですよね」と分析。
「牛肉や豚肉などの食ブームがひととおり過ぎ去り、消費者の食の好みも変わってきている。だから外食業界の現場では、ヘルシーで美味しいジビエを魅力的に感じているんです」。
一方で「一過性の人気ではなく、食文化としてジビエを定着させていくべき」とも強調していました。また、藤木氏は無糖ヨーグルトを使ったジビエを美味しく調理するコツも紹介。

ほか、フランスと日本におけるジビエの歴史(京都大学・宮崎氏)や、野生鳥獣による農作物被害額が減っているという現状(麻布大学・押田氏)、国産ジビエ認証施設の安全・安心の取組(信州富士見高原ファーム・戸井口氏)、ジビエ流通・消費の現状と展望(東京国際大学・伊藤氏)など、勉強になる話も多く、会場にいる皆さんは熱心に聞いていました。

ジビエ加工品の即売会やプレゼント企画も盛況

シンポジウム会場のロビーでは、ソーセージやカレーなどさまざまなジビエ加工品の即売会も開催。さらに、アンケートやSNS投稿によるプレゼント企画もあり、会場は賑わっていました。

今やジビエは、高級フレンチなどでしか食べられない“遠い存在”ではなく、身近なレストランや居酒屋、ファーストフード店などでも味わえる身近な食材になってきています。一方で、食肉として扱うためのガイドラインは近年制定され、狩猟者や外食産業の現場、消費者の間で、誤解されていたり知られていなかったりすることが多いのも事実です。
本シンポジウムのようなイベントによって、ジビエに関する正しい知識が広まれば、害獣駆除およびジビエの利活用促進にもつながるでしょう。

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