飲食店、ショップを探す
飲食店

シェフの感性と技の光る一皿を 「ARTE・Simposio(アルテシンポジオ)」

イタリアン 兵庫 シカ
2019.11.06

兵庫県の南東部に位置する阪神間(はんしんかん)は、住宅街としても人気の高いエリアです。その阪神間内、阪急夙川駅から徒歩2分。リストランテ「ARTE・Simposio」では、かつてイタリア・ミラノの名店などで研鑽した荻堂桂輔シェフの美しい料理の数々が味わえます。

程よい重厚感のあるフロアには、自然光がたっぷりと差し込み、定期的に入れ替わる芸術家の作品が飾られた空間で、アーティスティックなひと皿を堪能できるのが魅力。

鹿肉はその時のインスピレーションで調理

2003年のオープン時から、あえてスペシャリテを用意しないのが信条。その時々の自然の恵みを生かして、食材の個体差も意識してベストなひと皿を仕上げます。

鹿肉は、オープン時から扱っている食材とのこと。この日は岡山県のシェフに紹介してもらった、若い方々が経営している処理場からジビエを届けてもらいました。「ジビエを期待してくださっているお客様もいらっしゃるので、なるべく仕入れるようにしています。なかでも冷凍ではなく、使いやすいフレッシュなジビエを中心に」と荻堂シェフ。

さっそくコース料理の中から、前菜をご用意いただきました。「鹿のカルネサラータとポルチーニ」は、彩りが華やか。

「イタリアの北東部では牛肉をマリネして食べるのですが、それの応用です」。
マリネした鹿肉の外モモをじっくり加熱し、香りいいフレッシュのポルチーニやフェンネル、トウモロコシのペースト、花穂紫蘇を添えます。まるで絵画のような色彩使いはしばし見とれるほどで、さまざまな香りや風味が口の中で交わる上品な味わい。鹿肉のしっとりとした食感も印象的です。

そんな余韻に浸りながら、2品目のパスタへ。「ミルトの皮で包んだ鹿スネ肉と胡桃のラビオリ」がサーブされます。

ラビオリの皮には、イタリアのハーブ、ミルト(和名:ギンバイカ)が練り込まれています。
「鹿肉と相性がいいので使ってみました。イタリアのサルディーニャでよく使われるもので、実はうちの庭でも栽培しているんですよ」。

ミルトの実と葉を見せていただきました。
「余談ですが、サルディニアでは豚を焼く時にミルトの枝を乾燥させたものをくべるんです。実もそのまま焼かれるので、パン、パン!と弾ける音がするんですよ」と、興味深いお話も。

ラビオリをカットすると、たっぷりの鹿肉が現れます。

中には、香味野菜と共に煮込んだ鹿スネ肉を、クルミやパルミジャーノ・レッジャーノと共にミンチ上にした具が。生クリーム、バター、チーズで作ったコクのあるソースに絡めて口に運ぶと、豊かな風味が満喫できます。

濃厚ソースをまとった鹿肉のローストを堪能

メイン料理は、鹿の内モモをグリラーで、一時間弱かけて遠火で火を入れた一品「鹿の内モモのロースト ジュニパーベリーと赤ワインソース」です。

じっくりとローストした肉質は、弾力がありつつもしっとり。

登場したのは、なんとも盛り付けの美しいひと皿…。

赤ワインの色が染まったゴボウや、その間に盛り付けたドライイチジクとハッサクのピールも相まって、荻堂シェフの優れたセンスを再認識。ソースは、鹿の骨やスジ、トマトや香味野菜に赤ワインを加えて煮詰めたもの。ジンの香り付けにも使われる、ジュニパーベリーを効かせているのもポイントです。

「コースのバランスを考え、しっかりとしたソースに仕上げました。でも、すべてが濃厚だと舌が疲れてしまうので、土っぽさと酸が箸休めになるゴボウを合わせました」。
その言葉どおり、ほっくりとしつつ酸を感じるゴボウの存在が鹿肉を引き立てます。

今回掲載のコースは、すべて8,000円(税抜)のコースより。料理は随時変わりますが、事前予約の際に相談可能とのこと。不定期で演奏会も開催する空間で、芸術性も高い鹿肉料理を味わいませんか?

続きを見る