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紹介制レストランのセカンドラインが虎ノ門ヒルズにニューオープン!「ELEZO GATE(エレゾゲート)」東京都港区虎ノ門

東京都 フレンチ ハンバーグ テリーヌ ソーセージ シカ エゾジカ ランチ
2020.12.09

東京都渋谷区・松濤(しょうとう)にある「ELEZO HOUSE(エレゾハウス)」は、北海道・十勝で『生産狩猟部門(ELEZO FARM)』『枝肉熟成流通部門(ELEZO MARCHE)』『シャルキュトリ製造部門(ELEZO PARTY)』『レストラン部門(ELEZO TABLE)』の4ブランド構成において、食の一貫生産管理体制を構築した食肉料理人集団「ELEZO(エレゾ)」が経営する、住所・電話番号非公開の紹介制レストランです。誰でも行けるところではないとその機会を探っていたところ、2020年6月、東京・虎ノ門ヒルズにできた「虎ノ門横丁」に、紹介がなくとも行けるセカンドライン「ELEZO GATE」(以下、エレゾゲート)がオープンしたと聞き付け、訪問しました。

“エレゾの世界への入口”という意味を込め、店名は「エレゾゲート」。虎ノ門横丁の賑わう店舗をいくつか通り過ぎると、オオカミがあしらわれた木目の看板と大きな白い暖簾が見えてきます。

「エレゾゲート」シェフの高橋 和寛さん(写真右)とシャルキュトリ製造部門の村川 夏子さん(写真左)のおふたりが出迎えてくれました。

いよいよ、憧れの“エレゾの世界”へ。暖簾をサッとくぐると、すぐ目の前には12席のみの扇型カウンター。横丁のイメージとは別世界の空間がありました。

格式高いエレゾの味をカジュアルに。ビストロ感覚で楽しんで

気軽にお試しできるランチメニューのなかから、今回は蝦夷鹿を味わえるランチBコース(2,500円・税抜)をご紹介します。

一品目は、前菜の「蝦夷鹿のテリーヌ」と「蝦夷鹿のモルタデッラ」の盛り合わせ。

「加工品は北海道豊頃町大津に拠点がある『ELEZO LABORATORY(エレゾ食肉総合研究施設)』の、“ELEZO PARTY”というシャルキュトリ製造部門で作っています。自社で狩猟した肉をさまざまな技法で再形成を施し、新たな加工品へと仕立てています」と村川さん。

村川さんは料理人として修行をしていた時に、動物の命をいただいている感覚はありながらも、食材に対して心底向き合えていないと感じたことから、食材ひとつひとつとしっかり向き合えると感じたエレゾ社に入社。

「社員の8割は料理人でありながら狩猟免許の資格を持っています。私自身も、鹿一頭を自ら狩猟し、初めて解体から加工まで経験した時の衝撃を忘れることができません。命の大切さを実感するだけでなく、料理作りへの思いが180度変わりました。今でも狩猟に行くたび、あの原点に戻れます」と村川さん。

「ELEZO」はその活動が認められ、2019年、農林水産省「鳥獣対策優良活動表彰」で「農村振興局長賞(捕獲鳥獣利活用部門(団体))」を受賞。2020年、第10回「料理マスターズ」でブロンズ賞を受賞。狩猟と料理、両部門で国から表彰を受けています。

分厚くカットされているので噛み応えのあるテリーヌは、鹿肉の旨味をたっぷり感じることができます。鹿肉の美味しさを際限まで引き出すために、塩や香辛料などは素材の味を超えずに入れる程度。余計な味のしない、100%鹿肉を味わえる大人の味覚漂うテリーヌです。

太いソーセージのようなモルタデッラはきれいな2色模様が特徴で、濃いピンクはさいの目に切った鹿モモ肉、薄い色は鹿の腕肉など調理には利用しづらい部位をムース状にしたものを使っています。肉の特性を理解しているからこそ、素材が一番美味しく輝けるように思いを込めて作り上げているのが伝わってきます。

蝦夷鹿の前菜2種と共に添えられているのは、北海道に自生するコゴミ、ウド、フキなどの山菜をピクルスにしたもの。まろやかな酸味がテリーヌやモルタデッラの旨味をさらに引き立てます。 テリーヌとモルタデッラ、ピクルスを交互に味わいましょう。最初からワインが恋しくなるほどの美味しさに思わず唸ってしまいました。

ふっくらツヤツヤ! 鹿肉100%の食べ応えあるハンバーグ

ランチコースでは、「鹿のすね肉の赤ワイン煮」と「蝦夷鹿のハンバーグ」からメインを選ぶことができますが、今回はハンバーグをチョイスしました。1人前200gとボリューミーで見た目にもふっくら。

鹿肉に対して、玉ネギやパン粉などのつなぎはほんの少し加えるだけ。
「つなぎを最小限に抑えられるのは、狩猟から加工までを一気に自社で仕上げることができるから。肉の鮮度がよく、“結着力”が強いからできることなんです」(村川さん)

テーブルに運ばれたてのハンバーグをさっそくいただきます。

ナイフを入れると強い弾力で押し返される、ステーキのような断面のハンバーグは、噛めば噛むほど肉の旨味エキスが口の中に広がり、幸せな気分に。ソースが1/2にしかかけられていないのは、肉そのものの味とソースとの相性を食べ比べられるための心づかい。これはクセになりそうな食感と味わいです。

焼き上げたあともハンバーグがギュッと縮こまらないのには理由があります。ラボラトリーから届いたハンバーグ用の肉を、肉汁が洩れないよう、表面を滑らかに成形する高橋シェフの腕があってこそ。

某ホテルでフレンチのシェフをしていた高橋シェフは、元来の肉好き・ジビエ好きとあり、紹介制の「エレゾハウス」にも関わらず直談判をして食べに行った際に、これまで食べたジビエとは段違いな味わいに衝撃を受けたと言います。

「骨1本、血の1滴、肉筋1つたりとも無駄にせず使い切り“命を大切にいただく”というエレゾ社の信念に強く感銘を受けたのはもちろん、料理人としても腕をふるっていた代表(佐々木 章太氏)と同じ肉を使って料理をしてもまるで違う料理になることに驚愕。料理された肉がとてもイキイキしていて喜んでいるように感じたんですよ。そして食べてみると実際、美味しい。佐々木社長について行きたい! おもしろそう! 私もここで働きたい!と強く感じ入社させていただきました」

コースの〆は本日のデザート。北海道豊頃町から取り寄せている濃厚な牛乳を使い、真っ白な器に盛り付けた真っ白なミルクプリンでした。

スプーンですくうとスルスルと滑り落ちるなめらかさ。ワクワクしながら食べてみると、ふわっと何か懐かしい香りが鼻をくすぐります。
「香り付けの正解は…、レモングラスです。ミルクプリンにかかっているソースは牛乳をハーブで香り付けしたものなんですよ」(村川さん)
濃厚なのにさわやかな味わいで、コースの〆にピッタリな一品でした。

食後の飲み物が付いて2,500円(税抜)はかなりお得なランチコースだと実感できるでしょう。

カウンター席でゆっくりとお店の方とお話ししながら食べることで、動物たちの“命への敬意”が一品一品に現れていることを実感することができる「エレゾゲート」。贅沢な食のひとときを味わいたい方におすすめしたいお店です。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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