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ジビエの串焼きを手軽に食べ歩き♪ 観光客に愛される郷土料理店「食彩秩父じんじんばあ」埼玉県秩父市

埼玉県 居酒屋 シカ イノシシ 焼鳥・串焼き ペットフード
2022.11.05

歴史ある史跡や名所と豊かな自然に囲まれた埼玉県・秩父エリア。西武秩父駅から秩父神社へと続く参道「番場通り」は、昭和レトロな建物が多く建ち並ぶ、市街地随一の観光スポットです。通りのなかでもひと際目を引くのが、「食彩秩父じんじんばあ」(以下、じんじんばあ)。ジビエ料理をはじめ、秩父の郷土料理やB級グルメを手軽に味わえることで人気のお店です。

店頭には「ジビエ串焼き」と書かれた暖簾や、猪や鹿のはく製が飾られ、にぎやかムード満点。オーナーは、秩父市出身の料理人・福島 剛(ごう)さん。近くの和食店が母体で、「じんじんばあ」は基本的に、奥様の理絵さんが切り盛りされています。

屋台のような店先のカウンターに炭台が置かれ、その場で焼いたジビエや地場産シイタケの串焼きを味わうことができます。

低温調理でやわらかくジューシーな美味しさを引き出す

お店の一番の名物は、「鹿肉の串焼き」と「猪肉の串焼き」(各700円・税込)。大振りにカットされたお肉の串が炭火で炙られると、やがてタレの香ばしい匂いが漂い、食欲がそそられます。

熱々のうちにさっそくいただくと、鹿肉は、噛むとほろほろと繊維がほどけるやわらかさ。赤身ならではの淡泊でシンプルな味わいに、甘じょっぱいたれがよく合います。猪肉は歯応えがあり、噛むほどに肉々しい旨味と脂の甘味がジュワッと広がる、濃厚な味わいです。

シンプルなメニューながら、クセがまったくなく食べやすいのはどうしてでしょうか?
「鹿肉は奥秩父産のロースとモモ肉、猪肉は広島県世羅産の脂ののったモモ肉を使っています。野生の肉はどうしてもかたくなりがちなので、うちでは下処理として低温調理をしているんです。カットして形を整えたブロック肉を、鹿肉は2~3時間、猪肉は4~6時間ほど低温でゆっくり火を通すことで、やわらかで食べやすく仕上がるんですよ」と剛さん。

元々は、猪肉も奥秩父産を使っていたそうですが、年々捕獲量が減り市場に出回る数も限られてきたのだそう。新たな仕入れ先を調べたところ、中国地方の野生鳥獣被害が深刻になっていることを知り、「少しでも貢献できれば」という思いから、広島県世羅郡から仕入れるようになったそうです。

同じ串焼きでも、鹿肉と猪肉では食感も味わいもまったく異なるため、お客様の好みも二分するのだとか。どちらが好みか、食べ比べするのも楽しそうです。

おすすめのジビエメニュー二品目は、秋冬限定の「猪汁」(600円・税込)。低温調理でやわらかく仕上げた猪肉のスネ肉やウデ肉を使用しています。

ニンジン、大根、長ネギ、里イモなど秩父産100%の野菜がゴロゴロと入っていて、食べ応え満点です。味付けは、和風出汁の香る上品な醤油味。さらに猪肉と野菜の旨味が溶け出し、体にじんわり染み渡る美味しさです。

串焼きよりも脂の多い部位を使用しており、コリコリ、ネットリなどいろんな食感が楽しめるのも魅力です。10~4月頃まで限定販売。

ジビエ以外にもご当地グルメが数多くそろっていますが、特に人気なのが、秩父のB級グルメ「みそポテト」(400円・税込)。

ゆでたジャガイモを天ぷらにして、甘じょっぱい味噌ダレをかけて食べる、秩父地方で古くから親しまれてきた郷土料理のひとつ。外はサクサク、中はホクホクで、後を引く美味しさです。

これらのメニューはテイクアウトして食べ歩きも、囲炉裏のある店内で食べることもできます。

店内は、古民家から移築した梁や大工さんに特注した囲炉裏のある、落ち着いた空間。秩父祭りの衣装である半てんや提灯、鹿の立派な角などが飾られ、郷土らしさを随所に感じられます。秩父散策の合間に、囲炉裏を囲んでホッとひと休みしてはいかがでしょうか。

「秩父ジビエ」の可能性を模索し、地元を盛り上げたい

オーナーの剛さんは、秩父で生まれ育った生粋の秩父っ子。都内の日本料理店で10年ほど修業を積んだのち、2006年に地元秩父に戻り、和食の店「DAdA(ダダ)」を開業されたそうです。

「10年ほど前から、祭りやイベントに出店する機会が増え、秩父の特産であるジビエを提供したところ、観光客の方にとても喜んでいただけたんです。そこで、2018年にジビエがメインの郷土料理店『じんじんばあ』をオープンさせました」

開店からすぐに観光客でにぎわい、順調だったお店ですが、2020年にはコロナの影響で一転、客足が途絶える事態に。その窮地を救うヒントになったのが、愛犬の存在だったと言います。

「猪肉の在庫が大量に余ってしまったので、ふと思いついて、飼っている愛犬にフードを作ってあげたんです。ペットに脂はよくないので包丁ですべてカットしてから、低温調理でやわらかくしてミンチに。そうしたらものすごく喜んで食べてくれて。それをきっかけに、ジビエのペットフードとして商品化することにしました」

名付けて「秩父の板前さんが作ったワンコメシ」は、無添加で栄養価も高く、ペットの食い付きもよいことから、たちまち大好評に。店舗とネット販売からスタートし、今ではふるさと納税の返礼品や、道の駅など県内で買えるお店も拡大しているそうです。
猪肉のウェットタイプのドッグフード(250g・1400円・税込)をはじめ、猪肉や鹿肉を使ったジビエジャーキー(500~600円・税込)など、徐々に種類も増えていきました。

さらに剛さんは、ジビエを通して町おこしに貢献したいという思いから、大きなチャレンジを考えているのだそう。
「現在秩父には食肉処理施設が2か所ありますが、高齢化が進み、後継できる若い世代もなかなかいません。そこで、秩父の空き家を利用して、食肉処理施設を作りたいと思っているんです。ジビエ料理を提供していく中で、食肉解体の研修も受けてきましたので、その技術も生かしたい。ゆくゆくは自分のお店で提供するだけではなく、地元ジビエの販路も拡大していくことを目指しています」

来年2023年中の建設・完成を目指しているという剛さん。秩父産ジビエが、より広く根付き、親しまれるようになる日も近いかもしれません。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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