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世界最高峰フレンチで培われた味に惚れ惚れ 「ヤナカ スギウラ」

フレンチ シカ イノシシ そのほか 東京
2019.03.27

東京の人気エリア「谷根千(やねせん)」のひとつ、谷中。昭和の下町情緒あふれる谷中銀座商店街をはじめ、谷中霊園、朝倉彫塑館などの名所があり、平日休日を問わず多くの人々が訪れる町です。

今回ご紹介するのは、この谷中の地で代々続くお店。舌の肥えた美食家たちも遠方から訪れる、東京屈指のカジュアルフレンチレストランです。

 

「極上フレンチを谷中で」パリの一流店で活躍した名シェフが地元で夢を実現

JR日暮里駅西口から徒歩3分の場所に位置する「ヤナカ スギウラ」。目の前に朝倉彫塑館がある好ロケーションで、白壁とレンガ造りのおしゃれな外観がレトロモダンな町並みにしっくり溶け込んでいます。お店は1~2階の2フロアです。

シェフの杉浦功一氏は、生粋の谷中育ち。この地で70年以上親しまれてきた和食店の「仕出しすぎうら」に生まれ、ずっと食の世界を身近に過ごしてきました。

幼い頃から洋食の世界に惹かれ、やがてフレンチの道へ。かつて銀座にあったフレンチの名店「オストラル」などで修業し、渡仏。パリの世界最高峰フレンチ「ル・グラン・ヴェフール」などで活躍後、銀座の名フレンチ「ラール・エ・ラ・マニエール」で総料理長を務めたのち、2015年4月に自身のお店をオープンしたのです。

「ヤナカ スギウラ」のコンセプトは“肩の凝らない下町のごちそう”。一流の調理技法と全国から届く厳選素材で作られる料理は最高レベルで、杉浦氏やスタッフ皆さんの温かいおもてなしでリラックスして過ごせます。できる限り“ア・ラ・ミニッツ(できたて)”にこだわり、食材の香りと食感を堪能できる料理を提供しています。

 

贅を尽くした素材と絶品ソースでジビエの魅力を演出

取り扱うジビエは、蝦夷鹿・猪・キジ・モリバト・ヤマウズラ・真鴨・鴨・ベキャス(山シギ)・野ウサギ・雷鳥など多彩。「常にすべてがそろうわけではありませんが、仕入れ時に最も上質な肉を使うようにしています」とのこと。

そんな杉浦氏がジビエと出合ったのは「オストラル」時代。野ウサギやベキャス、真鴨、ヤマウズラなどに触れ、感銘を受けました。「ジビエの魅力は何といっても香り。しっかり加熱して安全性を守りつつ、肉の個体差を考えながらおいしさを最大限に引き出すのがおもしろい。ジビエ特有の滋味深い“苦味”を、排除しながら程よく残すというバランスのとり方が、難しいけれどやりがいあるんです」。さすが、最上を知る料理人の視点は奥深い!

 

創造性と素材の魅力を最大限に楽しむジビエ料理

ここで1品目の料理「キジとヤマウズラのパテ」(2,800円・税抜、3月中旬頃までの提供)が登場。

真っ白な皿の上には大ぶりのパテと、扇状に盛られた色鮮やかな野菜が。まるで芸術作品のような美しさで、思わずうっとり…! キジの他にヤマウズラ、豚ノド肉、フォアグラをベースにしています。口に入れると、ジビエならではのよい香りが華やかに広がり、複雑に絡み合った旨味がじんわり訪れてきました。皿に添えられたヤマブドウのピュレ、粒マスタード、ソーテルヌ(甘口の貴腐ワイン)とバニラで作ったソースをそれぞれ付けて食べると、旨味が絶妙に変わるのもうれしい驚き!

付け合わせの野菜は長野から届いたもので、甘く濃い味わいが素材の素晴らしさを物語っています。

そして2品目は、「いのししホホ肉のブレゼ インカのめざめのエクラゼ パルマンティエ仕立て」 (ディナーコースのメイン料理の一品)。

和歌山産の猪のホホ肉をポルト酒(甘口ワイン)と赤ワインで煮込み、ソースもポルト酒と赤ワインを煮込んで仔牛肉からとった出汁を合わせたもの。北海道産ジャガイモ「インカのめざめ」とシブレット(細い葱)を合わせ潰したものに猪肉をのせ、トリュフを惜しげもなく飾っています。

肉はホロリとやわらかくも食感はある程度残っており、猪ならではの香りと甘みを感じて、ダシのきいたソースと相性抜群。ほっくりしたジャガイモのエクラゼが、全体をマイルドにまとめています。「ル・グラン・ヴェフール」時代に作っていた料理をベースにしていて、まさに本場の料理を谷中で味わえるのです。

3品目の「蝦夷鹿とモリ―ユ茸 山菜のコンソメ仕立て ふきのとうのニョッキ添え」(ディナーコースのメイン料理の一品、要事前予約)は、冬のジビエと春の山菜が融合した季節のはざまのひと皿。

香味野菜および蝦夷鹿・モリ―ユ茸・赤ワインでとったコンソメをスープに、やわらかな蝦夷鹿とタケノコ、蕾菜(つぼみな)、グリーンアスパラなどを合わせています。

とにかく感動したのが、このスープ。食材すべての旨味が溶け出しており、後を引く美味絶品! また、フキ味噌をのせて焼いたかぼちゃのニョッキも印象的。フキ味噌のほのかな苦味がカボチャの甘味と不思議に合います。全体的に“和”を感じる繊細な味わいは、日本人シェフならではのセンスでしょう。

「ヤナカ スギウラ」では、ランチは2,300円・3,800円・6,500円の3コース、ディナーは5,600円・6,800円・10,000円の3コースが用意されています(すべて税抜)。肉や魚、野菜などの素材は時季に応じて変わるため、特にジビエ料理を希望している場合は事前に確認・予約するのがおすすめです。

谷中散歩の締めくくりは、食通もうなる本場フレンチで芸術的なジビエ料理を楽しんで。きっと、忘れられない休日になるはず!

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