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ソムリエ出身のシェフが作る無骨なフレンチが胃袋を掴む 「taka’s BISTRO VS」(タカズ ビストロ ヴィエス)

フレンチ 東京
2019.03.31

住みたい町ランキングで常に上位をキープし、おしゃれなママたちでにぎわう東京・二子玉川。そんな中、看板に“骨太フレンチ”と掲げ、男性客からも支持を集める「taka’s BISTRO VS」。快活なシェフが一人で切り盛りする、駅近の隠れ家をご紹介しましょう。

「よそいきフレンチ」から「骨太フレンチ」へ

お店があるのは、玉川タカシマヤ本館と南館の間を抜けたすぐ先。雑居ビルの3階のエアポケットのような場所にある「taka’s BISTRO VS」は、今年で21年目を迎えるフランス料理店です。

店内に入ると、ジャージ姿で厨房とホールを行き来している男性が一人。それがシェフの高橋正人さんでした。オープン当初はシェフを雇って、高橋さんはソムリエとしてホールを担当。当時は無休だったので、シェフが休みの日は仕込んでおいてもらった料理を高橋さんが仕上げて提供していたそう。

「もともとホテルやレストランでソムリエをしていて、料理の説明ができないとホールに出させてもらえない時代でした」と高橋さん。厨房でシェフが調理する工程を見たり、時には作り方を聞いたりするうちに、気付けば料理の知識が身についていました。

そして、2003年に店のスタイルを一新。マダムをターゲットにした店を卒業し、気楽に使える店を目指して、高橋さん一人で再スタートを切ります。

「気取った感じがどうも性に合わなくて。何度か来ているお客さんには『お、久しぶり!』とか『いつものでいい?』というふうに、かしこまらずにお客さんと話せる店にしたかった」と、高橋さんは当時を振り返ります。料理もコースだけのスタイルを止め、アラカルト中心のメニュー構成に。盛り付けの美しさより、「おいしそう」と本能で感じるような豪快な料理にシフトチェンジ!

「一人で始めてすぐの頃、取材に来たライターさんが“骨太なフレンチ”と書いてくれたんです。それを見て、うちの料理を総称するにはぴったりだと思って、ライターさんに許可をもらって看板に使わせてもらいました」。

すべてはお客さんの笑顔のために

骨太と呼ばれるゆえんのひとつがジビエ料理。牛肉などに比べてリーズナブルに豪快さを出せるジビエ料理は、オープン当初から人気メニューに。

「猪は千葉県産のもの。飲食店のオーナー仲間がいろいろな方面にいて、いいジビエの情報が入ってくるのです」。野山で栗などの木の実を食べる猪の様子を思い浮かべながら作ったという「イノシシのパテ」(1,300円・税抜)は、ナッティな味わいのパテに山栗を添えた物語のある一皿。山栗の甘味が猪肉の野性味をやさしくフォローし、料理に深みを加えています。

蝦夷鹿を使ったメニューは通年提供。人気メニューの「エゾ鹿の赤ワイン煮」(2,000円・税抜)は、赤ワインをドバドバッと豪快に入れて4時間ほど煮詰めて、旨味を凝縮させます。

中までしっかり味がしみ込んでいて、程よい噛み応えにワインが進む、進む!

「エゾ鹿の腸詰」(800円・税抜)は、ハーブなどのスパイスがしっかり効いていて、こちらもワインのお供に人気。付け合わせの野菜は、シェフの義理のお姉さんが秩父の自家畑で栽培したもので、その時期の旬の野菜が楽しめます。

 

店にある約40種類のワインはもちろん、ソムリエでもある高橋さんのセレクト。「おいしいワインを適正価格で提供するのが僕のモットー」と、高いワインは置かず、グラスワインも1杯700円~(税抜)と良心的。飲みたいワインがある人は持ち込みもOKにしています(1本につき2000円)。

この日、ジビエに合わせたのは赤ワインの「VINYARD SELECTION」(ボトル6000円・税抜)。

「ほら、エチケットにイノシシのマークが入ってるでしょ? しかも頭文字がうちの店名と同じ“VS”なの。運命を感じちゃうよね」と、うれしそうにほほ笑む高橋さん。料理同様、一見無骨に見えますが、実はとってもチャーミング♪

サラダや炊き込みごはんの上に、トリュフをこれでもかと削ってくれる“トリュフ乱舞”も大好評で、「お客さんを笑顔にさせる飛び道具」と言って採算度外視で続けています。

記念日や特別な日に行くフレンチではなく、ドレスコードを気にせず、会社帰りにふらっと寄れる「taka’s BISTRO VS」。次に行く時は「ただいま」と言ってしまいそうなほど、気兼ねなく料理とワインが楽しめるお店でした。