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元日本代表の射撃選手が営むジビエが楽しめる洋食店「dining Chiyo(ダイニング チヨ)」

シカ
2020.03.31

埼玉県川越市、東武東上線の各駅停車駅・上福岡駅から住宅街を歩くこと約10分。青果店や精肉店が並ぶ藤間だるま市場を通り過ぎた先に「dining Chiyo」はあります。

ノスタルジックな愛らしさのある店構えで、出迎えてくれたのは穏やかな笑顔が印象的なオーナーシェフ、木村千代勝さん。背筋がスッと伸びた紳士です。

実は木村さんは。元自衛官。射撃競技の日本代表選手として、教官として38年間の自衛官生活を射撃一筋に捧げました。その後、第2の人生としてこの店を開いたのが7年前のこと。

 

サービス精神旺盛なシェフの愛情あふれる料理と空間

 

自衛官時代は趣味で狩猟をしていたためハンターとの人脈があったこともあり、せっかくよい食材が手に入るのだからと、鹿肉料理をメインに提供しています。

「もともと料理が好きでした。すべて独学ですが、自衛官時代に国内外のいろいろな土地の料理を食べたことが役立っています」と木村さん。

 

手作りするのは料理だけではありません。なんと、この店の内装も木村さんの手によるもの。壁、カウンター、キッチンまでも手がけ、愛着がわいて仕方がないと笑みをこぼします。テーブル10席、カウンター3席だけの目が行き届く空間で、調理もサービスも一人で切り盛り。落ち着いて食事とお酒が楽しめる空間を提供したかったと言い、ご夫婦や家族連れでのお客さんが多いそう。

木村シェフの料理への期待が高まったところで、1品目の「自家製スモーク3種セット」(1,000円・税込)の登場です。このお値段でこの量…、サービスがよすぎませんか?と聞くと「『サービスしすぎ!』と常連さんによくしかられます(笑)」と木村さん。

「お客さんには美味しいものを食べて元気になって帰ってもらえれば満足なんです」との言葉に、温かな人柄が伝わってきます。

スモークは写真手前が大分県産の猪、奥の黒っぽい色のものが蝦夷鹿のモモ肉、そしてチーズ。ジビエは桜チップで燻製、チーズは桜チップにリンゴなどのフルーツをプラスしています。

薫り高く旨味が凝縮された鹿は噛むほどに味わい深く、ブラックペッパーがよいアクセントに。

猪は脂がのっていて甘味が感じられ、豚肉のベーコンに近い、食べやすい味わい。お酒好きならこれとワインだけでも大満足です♪ ちなみにグラスワインは500円、ボトル2,500円~(各税込)と手ごろな価格で楽しめます。

 

良質な肉だからこそのステーキを味わう

 

2品目は「鹿ステーキ」(1,800円・税込)です。

「罠で捕った蝦夷鹿です。銃に比べて鹿にストレスがかかっていないので肉質がいいんですよ」。

 

150gものボリュームある蝦夷鹿のモモ肉をガーリックオイルで焼き、食べやすくカットしてから盛り付けます。

 

焼いたズッキーニを添え、燻製風味のソースをかけて出来上がりです。

 

ダイレクトに肉の味が感じられるのがステーキの醍醐味。火入れ加減が絶妙で、しっかりと肉質を感じられつつもやわらか。燻製風味のソースが味に深みを与えてくれます。鹿ステーキは「フォアグラのせ」(2,800円・税込)もあり、こちらも木村さんのおすすめです。

 

最後にいただいたのは、「パエリア」(1人前1,500円、1人前追加ごとにプラス1,000円、各税込)。※写真は4人前、要予約

 

彩り豊かな一品で、ムール貝、赤エビ、アサリ、野菜ととっても具だくさん。具の魚介からまず出汁をとり、そのスープでご飯を別で炊き上げ仕上げます。通常は女子会コース(4,200円~・税込、要予約)での提供ですが、予約すれば単品でも作ってくれるそう。

 

驚いたのは、米に大豆がブレンドされていること。スープの旨味をしっかり吸っていて、とてもやさしい味わいです。具も野菜もすべて大ぶりで食べ応えもたっぷり。女子会に華を添えてくれること間違いなしです。

 

美味しい料理にお腹も心も満たされたころ、木村さんがとっておきの宝物を見せてくれました。射撃の全日本選手時代に獲得したメダルです。

 

アジア競技大会のメダルで、左が1982年インド開催されたときの金メダル、右が1986年韓国で開催されたときの銅メダル。懐かしそうに選手時代のお話を聞かせてくださいました。今でも教え子が店を訪ねてくれるそうで、尊敬され慕われる教官だった姿が容易に想像できました。

 

射撃に、そして第2の夢にまっすぐに突き進んできた木村さんの、愛情あふれる料理の数々。カップルやグループではもちろん、カウンター越しに木村さんとの会話を楽しみながら時間を過ごすのもおすすめです。

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