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ジビエの底力が“ラーメンのだし”となって華開く「啜乱会(すすらんかい)」東京都葛飾区新小岩

東京都 ラーメン 和食 シカ ランチ
2018.08.30

ジビエ料理と言えば“フレンチ”が定番ですが、ジビエ肉を使った料理を提供するさまざまなジャンルのお店が、日本でも本当に増えてきました。そんな中、ジビエ肉でだしを取ったラーメンが味わえるお店があるという情報を編集部が入手! ジビエラーメンとはいったいどんな味わい?と、麺好きの記者は胸を躍らせながら店へ向かいました。

場所は、JR新小岩駅から徒歩3分。南口からまっすぐ伸びる新小岩ルミエール商店街を通り、2本目を左折した辺り、「自家製麺」と大きく書かれた白提灯が目に入ります。暖簾に書かれた「啜乱会」というロゴもしゃれた雰囲気。

木目を生かした店内はとても居心地がよく、カウンターの青い丸タイルがかわいかったり、ウーロン茶以外にもジャスミンティーも用意されていたり、ちょっとした心遣いに女性客が多いというのも納得です。実はオーナーの師田(もろた)和志氏、その本業は…、飲食店の経営や店舗デザイン・設計などを総合的に手伝うコンサルティング会社の社長さんなのです。ところどころに見られるセンスの良さは、そういう理由だったのですね。

主張しすぎないジビエのだしがいい仕事をしている!

さて、お目当ての「ジビエラーメン」についてお話を伺おうとすると、「まずは食べてみてください!」とのこと。それではお言葉に甘えて、「ザ・正油らーめん」770円から。

んん? これは…? 甘い?? 何百杯もラーメンを食べつくしてきたようなラーメンライターではなくても、ひと味違う甘味があることがわかります。師田氏いわく、「これがジビエだしの旨味なのです!」。控えめなのに、でも確実に存在感のある甘さ。昔ながらの醤油ラーメンのようなカエシと合わさって、美味しいスープに仕上がっています。

「最初はジビエだけでだしをとったラーメンを作ってみようと思ったのですが、これがやってみると、旨いけれど食べ終わるまでに飽きがくるんです。豚・鶏などのだしと合わせながら、試行錯誤して今の割合にたどりつきました」

こうして2017年8月、「啜乱会」は豚・鶏・鹿の3種の動物系シングルスープをウリに新たなジャンルのラーメンを発売開始します。

ところが、師田氏からは「ウチはジビエラーメンがウリです!」などという売り文句は聞かれません。その理由を尋ねると、

「らーめんというのは、今や日本人の生活には欠かせない、ごく自然な当たり前の食べ物。それが、『ジビエらーめんを食べてきた!』となると特別なものになってしまう。気をてらいすぎる食べ物は生活には定着しません。普段と変わらないおいしさ、でも実は『ジビエのだしだったの?』くらいのテンションで来てもらうのがいいんです」

ジビエをあまり意識することなく食べてほしい、ジビエの旨味は“縁の下の力持ち”的存在なのでしょう。

続いて、ジビエだしを使った「二度仕込み塩らーめん」780円もいただきます。スープひと口目で、「おおお…」と思わず笑みがこぼれます。これまたおいしい! 塩気は少し濃いめで、塩らしくない塩味というか、色気があるというか…、啜るほどに味わい深く胃袋にしみわたっていく感じがします。醤油派か?塩派? これは好みがわかれるところかもしれません。

別仕事でのある出会いが“ジビエ×ラーメン”の合体を生む

なかなか思いつかないような2つの素材の組み合わせ。師田氏は一体どんな時にこのアイデアを思い付いたのでしょう? それは、コンサルティングの仕事で岐阜を訪れ、道の駅事業に携わった時。大きな出会いがあったといいます。

「岐阜県の6次産業のひとつ『清流ジビエ』を味わってみて、そのおいしさに驚きました」

岐阜の清流ジビエフードサービスが提供する「清流ジビエ」は、独自の研究によって編み出された“仮眠熟成製法”で、野生本来の旨味と柔らかさを実現させたワンランク上のジビエブランド肉。熟成バランスが絶妙で、このおいしさを知った師田氏は、これを使った新しいメニューができないかと思案。知人やスタッフたちの知恵も借りながら、鹿のミンチをラーメンに生かすことに成功したのです。

苦労の末に生み出したスープのおいしさはもちろんですが、実は「啜乱会は麺がウマい」とも評判。それもそのはず、かの有名な「G麺7」「啜磨専科」「ロ麺ズ」の店主で“利粉師”として有名な後藤将友氏が麺をプロデュース。信州小麦をメインに数種をブレンドした自家製麺で、スープに合わせて太さや縮れ具合を調整し提供しています。

こちらのもう一つの楽しみは、“味変”。すりゴマや黒コショウといった卓上の調味料を使えば少し引き締まった印象に。お酢をさっとひと回しすれば甘味が中和され、スープを飲み干せそうなほどさっぱりスッキリに。「魚壊トッピング」(30円)を加えると魚系スープに早変わり。こってりがお好みなら「背脂トッピング」(30円)を注文すれば、人気の白濁濃厚スープとして味わうことができます。

しびれる辛さの汁無担々麺「辛痺(からしび)」880円、「禁断の背あぶライス」150円、開店当初の醤油ラーメンを夜限定で復活させた「夜泣きそば」750円など、メニューのネーミングにも遊び心満載。オーナー自ら楽しんでいるかと思いきや、「苦しんでます」と苦笑いでした(笑)。

お客を飽きさせない努力を探求し続ける「啜乱会」。その名にふさわしく、スープも麺も何度でも啜りたくなる旨さを、ぜひ体験してみてはいかが?

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