インスタ映えの「平戸バーグ丼」が話題!こだわりの平戸いのししを東京で味わう「おばんざいと串と酒 平戸からありがとう」東京都千代田区
東京はJR有楽町駅の目の前、東京交通会館の地下1階にある「おばんざいと串と酒 平戸からありがとう」(以下、平戸からありがとう)は、ランチ時には行列ができる人気店です。

長崎県平戸市と、「平戸いのしし」を手がける株式会社Green Peaceがタッグを組み、平戸の味を楽しめる場として、2021年6月にオープンしました。

店名は、お店で使っている食材や調味料を作る平戸の生産者のみなさんへの感謝の気持ちを込めたもの。

店内はカウンターのみですが、窮屈な感じはありません。

壁には、生産者の人々の写真が飾られています。食事をしながら、「この食材を作ったのはあの人かな?」と、思いを巡らせるのも楽しそうです。
平戸の味にこだわり尽くした猪肉100%のどんぶりが話題!

ここでのお目当ては、「平戸バーグ丼(ダブル)」(1,280円・税込、限定10食)。平戸産の米を炊いたご飯の上に、フライドオニオン、猪肉100%のハンバーグ2つ、大根の鬼おろし、卵黄をのせ、自家製のタレをかけたボリューム満点な一品です。ハンバーグが一段のシングル(980円・税込、限定30食)もあります。メニューを見ただけでは猪肉が使われているとはわかりませんが、この猪肉のハンバーグ丼を求めて毎日行列ができるんです。

猪肉100%のハンバーグは、ふっくら、ジューシーに仕上げるため、手ごねにこだわっているそう。

成形したハンバーグは、フライパンでじっくり火を通してから網焼きに。炭火の香りが食欲をそそります。

厨房で盛り付けているのを見ただけで、思わず声が上がるほどの圧倒的な存在感です。

1枚150gのハンバーグが2段重ねで登場! 大根の鬼おろしと卵黄もオン!

平戸産のあごだしをベースに、甘辛く仕上げたタレ、パンチのあるフライドオニオンとの相性も抜群です。卵を崩していただきましょう。

味変には、平戸で生産されている柚子胡椒「ゆずピリッ」を。柑橘の風味とピリリとした辛さで、新たな美味しさを発見できます。

続いて登場したのは、「平戸の汁なし担々麺」(980円・税込)。こちらも猪肉を贅沢に使った一皿。山椒のしびれるような辛さがクセになります。味噌汁は、平戸で養殖されている「平戸夏香(ひらどなつか)」という柑橘の皮をエサにした魚のアラで出汁をとり、平戸の麦味噌で仕上げたもの。

先ほどの「平戸バーグ丼」同様、猪肉の脂がさっぱりしているので、重たさがまったくなく、女性でもペロリと食べられます。テーブルに用意された平戸産の「あご旨(だしパウダー)」をかければ、口当たりもまろやかに。

「平戸バーグ丼」や「平戸の汁なし担々麺」に添えられたおばんざいと漬物も平戸から直送。この日は、小鯵の南蛮漬けと野菜の味噌漬け。なんと、地元のお母さんたちが手作りしているそうで、優しい味わいが評判です。
ドングリを食べて育った「平戸いのしし」はミネラルが豊富!
「平戸いのしし」は、海に囲まれた平戸で野山を駆け巡り、ドングリやミネラル豊富な海藻などを食べてのびのびと育った猪。その猪を、ストレスをかけることなく適切な処理のみ手早く施し、衛生管理を徹底した清潔な工場で加工、個体の状態を見極める目利きの力で肉の質を高めた高品質なジビエです。

「平戸いのしし」として扱われるのは、わな猟で捕獲された猪のみ。捕獲後すぐに血抜きを行い、専用の保冷トラックで30分以内に食肉処理施設へと運搬します。
「すぐに処理をすることで、臭みがなく、質のよい肉を確保できるんです」
そう話すのは、株式会社Green Peace取締役の豊池 潤一さん。

「平戸では15年ほど前から猪による農作物被害が深刻になっていました」と豊池さん。
そこで、捕獲された猪を有効活用しようと、2017年に「平戸いのしし」事業がスタートしました。

「平戸からありがとう」で厨房を任されているのは、料理長の唐澤 優さん。多くのジビエを扱うレストランで料理人として腕を奮っていたそうですが、
「『平戸いのしし』を扱ってみて驚いたのは、それまで調理してきた猪肉とは段違いの質の高さです。そのため、この店の厨房をやってみないかと相談された際は、二つ返事で引き受けました。実際に平戸を訪れ、猪が育つ環境を見て、その思いはますます強くなりました」

夜の営業では、平戸いのししの串焼きやパテなどのほか、郷土料理、日本酒、焼酎など、平戸の味を多彩に味わえます(※夜の営業は2月再開予定)。馬鈴薯を原料にした焼酎「じゃがたらお春」(グラス660円・税込)は、すっきりまろやかな味わいで猪肉料理におすすめ。
平戸の味が勢ぞろいするアンテナショップも

同じフロアにあるアンテナショップ「有楽町ひらど商館」では、「平戸からありがとう」で使っている調味料や食材を購入することもできます。そのほか、平戸産の食品やお酒など、さまざまな名産品が並び、まるで平戸を訪れた気分に。

猪の肉を余すことなく活用するため、「平戸いのしし」を使った製品加工にも取り組んでいて、猪肉を使った品がズラリと並ぶコーナーも。

こちらは東京・浅草にあるフレンチレストラン「Ludique(ルディック)」大塚 勝也シェフの監修で生まれた「平戸いのししあらびきソーセージ」(写真左、810円・税込)、「平戸いのししパテ・ド・カンパーニュ」(写真右、864円・税込)と、定番人気の「平戸いのししベーコンスライス」(写真中央、810円・税込)。いずれも、肉の旨味はしっかりと感じられますが、どれも驚くほどクセがなく、ジビエ初心者でも美味しくいただけます。

「長崎平戸いのししキーマカレー」(写真右、2缶入・3,456円・税込)と「長崎平戸いのしし酒粕味噌/塩麹漬け」(写真左、各1缶入・3,456円・税込)は、少し値が張りますが、自分へのご褒美やギフトにぴったり。サステナブルな自然派缶詰で知られる「カンナチュール」とのコラボで生まれたこだわりの一品です。

平戸いのししの挽き肉を贅沢に使ったキーマカレーは190g入り。ソテードオニオン、レンズ豆、ココナッツミルク、赤ワイン、フルーツチャツネなどを使い、まるでレストランのような本格的な美味しさです。

「平戸いのしし酒粕味噌」(写真左)は、猪肉を酒粕と麦味噌で煮込み、濃厚な味わいに。お酒のお供はもちろん、温めてご飯にのせるのもおすすめ。「塩麹漬け」(写真右)は、塩麹に猪肉を漬け込むことで、肉の旨味が増し、やわらかくジューシーな口当たり。猪肉のしっかりとした食感も楽しめます。

店頭には、自社農園で農薬を使わずに作られた有機野菜や米、平戸の農業高校の生徒たちが作った野菜も並んでいました。

平戸の魅力がギュギュっと詰まった「平戸からありがとう」。帰るころには、実際に平戸を訪ねてみたくなる、そんな一軒です。ランチで食べられる「平戸バーグ丼」は数量限定のため売り切れてしまうことも多いので、オープンを狙って早めに足を運ぶのが安心です。
※2023年3月29日をもって営業終了。5月にリニューアルオープンを予定。その際、ジビエ料理の提供は未定。

おばんざいと串と酒 平戸からありがとう

- 住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1F
- TEL:090-1169-0408
- 営業時間:11:30~14:30 (材料がなくなり次第終了) ※現在、ディナーは不定期で営業中
- 定休日:日曜(そのほか、臨時休業の場合あり) ※店舗SNS等でご確認ください
- ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
- 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。